巷(ちまた)の学校blog

学校等では教わらなかったことを学び,賢い市民生活(家庭,仕事など)を営むためのブログです。ビジネスにも役立つかも。時には,就職や小論文にも言及。

一律ではない高齢期,定年後の居場所

 以下は,zakzak提供記事(くすのき・あらた 氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 この9月,昨年に続いて高齢者大学で話す機会をいただいた。200人以上の参加者があった。昨年は,主催者の要望に応じて,定年前の準備や,60歳から74歳までの「黄金の15年」をイキイキ過ごすことを中心に話した。

 「黄金の15年」とは,拙著『定年後』(中公新書)において主張した私の造語である。

 定年の60歳から74歳くらいまでは,自立して活動することができて,かつ会社員当時の口うるさい上司もいなくなり,仕事も楽になって,家族の扶養義務も今までよりも軽くなる。介護を抱えている人は多いが,自分のために多くの時間を費やせる人生のラストチャンスだ。

 持てる能力を最大限に発揮して生きることもできれば,ゆったりと何もしないで無所属の時間を味わうこともできる。寿命が延びたことにより,日本の歴史上初めて私たちが手にした貴重な機会なのである。このチャンスを大切にしようというのが,「黄金の15年」の私の見解である。

 昨年の講演では,一応の手応えもあって主催者から今年も依頼された。ところが壇上から見ていると,70歳を超えたと思われる人が多いことが気になっていた。

そのため,今年の講演の前に参加者の年齢別の男女比を教えてもらった。女性がやや多く,年齢構成は,60代が35%,70代前半が35%,70代後半は27%だった。これでは「黄金の15年」の話だけでは,訪れた人々の関心に応えられない。

 今年68歳になって,「黄金の15年」の後半に入った私も70代半ば以降に興味が移りつつある。講演時間が90分あったので,前半は「黄金の15年」のこと,後半は75歳以降にどのように生きるかという点について話した。

 安楽死を取り扱った映画『PLAN75』や,私が終活フェアで講演したときの会場の様子,70代半ばの人を取材したときの発言などを紹介した。会場の興味は後半の話にあるように感じた。

 70代後半になると新しい趣味などに取り組むのは容易ではない。旅行やおいしいものを食べ歩くことも徐々に日常的な行為ではなくなってくる。

 68歳の私と91歳の義母は,同じ高齢者といっても,活動できる範囲や周りからの援助の有無,求めているものもまったく異なる。高齢期を一律にとらえると,できるだけ長く生きることが目標になりがちである。それも大切であるが,むしろ延ばしてきた寿命をどのように充実して過ごすかがポイントだろう。高齢期にも加齢に応じた過ごし方の変化があることを前提に生活の充実を考えるべきだ。

 講演の最後は,「皆さんにも教えを請いながら,今後も75歳以降のことも考えてみます」と言って締めた。帰り際に主催者から来年の同じ日に「75歳以降のことをテーマにしてください」と講演を依頼された。

 あと残りは365日。「♬一日一歩,3日で3歩,3歩進んで2歩下がる」。これでは,いつになったら着くのか分からないが,とにかく1年後に向けてコツコツと準備をしていくつもりだ。

くすのき・あらた:1979年,京都大学法学部卒業後,生命保険会社に入社。50歳から勤務と並行して取材,執筆に取り組む。2015年3月,定年退職。現在,人事・キャリアコンサルタント。25万部を超えるベストセラーになった『定年後』(中公新書)など著書多数。22年9月に『自分が喜ぶように,働けばいい。』(東洋経済新報社)を出版。

≪高齢期だけでなく,どの年代も「黄金」であって欲しいと願うのは私だけでしょうか?また,「居場所」はどなたかが用意してくれるものではなく,自ら作らなければならないもの。それはどの年代にも言えるのでは?若い方?には厳しい言い方かもしれませんが,もしかすると「生きる」という意味そのものかもしれません≫

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刑法初の大改正 「懲役刑」がなくなる意味とは?

 以下は,日刊ゲンダイDIGITAL提供記事のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 刑法の大改正が行われました。1907年以降,初めてのことです。

 これまで刑務所に入所させる刑罰は「懲役刑」「禁錮刑」の2つでしたが,これらを廃止し「拘禁刑」という新たな刑罰へ一本化されました。  

 これまでの「懲役刑」は刑務作業が中心。それに対し,新設された「拘禁刑」は,刑務作業だけでなく,受刑者が刑期を終えた後,円滑に社会復帰をし,自立した生活を送っていくために必要な住居,医療,就業・修学などの指導や教育も行わせることができるものとされました。  

 この改正に至った経緯としては,刑期を終えた受刑者を取り巻く現実が大きく影響していると思われます。法務省が作成し公開する「犯罪白書」(令和3年版)によれば,再犯者率は年々上昇し続け,令和2年には49.1%。また,刑務所から出所した受刑者が再び入所する確率は,出所してから5年以内が36.7%,10年以内が45.3%となっています。 

 刑務所での生活の大半を単純な刑務作業に費やしてきた受刑者にとって,出所後,逮捕前とは様変わりした社会で復帰することは非常にハードルが高いものがあります。それゆえ,出所後の受刑者が生活の場所や,気持ちのやり場を失い,再犯に至ってしまうような事態を極力避けるため,刑務所内における準備や教育が大きな課題となっていました。  

 犯罪報道で実名が出てしまうと,デジタルタトゥーとして半永久的にインターネット上に残ります。また犯罪報道に対しては必要以上の罵詈雑言がインターネット上に書き込まれます。このように,罪を犯した人に対する風当たりは年々強くなってきています。  

 しかし,犯罪者の烙印を押し,社会からつまはじきにするだけでなく,罪を犯した人が社会に復帰した後,再び罪を犯したり,被害者を増やさないための対策は社会全体で考えていかなければならない問題ではないでしょうか。

 今回の大改正が,受刑者の再犯率の低下に向けた契機になることを祈ります。 (髙橋裕樹/弁護士)

≪ネットカフェでの監禁事件の被疑者は,同じような事件で服役後,出所してから3か月?服役してお金を貯める?ことが動機とか?また,ネット上の個人情報を放置したままの某社に削除命令の判決が。月日の経過とともに事件の公益性が薄れ,個人情報の保護が優越する?制度が変わっても,人間の意識が変化するまでには多くの年月を要するのが常……≫

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お金をかけずに楽しむ暮らし方(年金暮らし以外にも可能!)

 以下は,ESSEonline提供記事のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 仕事に忙しい現役世代とは一変して,収入は減るものの,1日の時間にはゆとりが生まれる年金暮らし。毎日を豊かに過ごすには,お金の使い方も時間の使い方も見直しが必要です。60歳で退職後,夫婦2人の小さな暮らしのコツをYouTubeで発信するpokkomaさんに,ファッションからエンタメまで,お金をかけずに暮らしを楽しむアイデアを教えてもらいました。

お金をかけなくてもおうちで趣味を楽しむコツ

 「仕事をしていた頃は,洋服をたくさん買ったり,お金を使うことでストレスを発散していました」と話すpokkomaさん。収入が減った今は,お金をかけずに趣味を楽しんでいます。

ファッション・美容費は月に5000円弱で暮らしています。

  • 洋服はプチプラで自分に合うものを探す

 トップスはアウトレットで4900円,ワンピースは手づくり市で約8000円。

 働いていた頃はお金をかけていた洋服。今はおもに,スーパーやアウトレット,フリマアプリで購入しています。ブランドにこだわらず,身の丈に合ったものでかわいらしく,ゆったりした服を選ぶようになったそう。

 花柄のトップスは3289円,生協で購入。

 スーパーで約2900円で購入したブラウス。

 ギンガムチェックのワンピースはメルカリで1300円。

 ペーパータオルやクッキングシート,アルミ箔などはコストコでまとめ買い。「クッキングシートは50m,アルミ箔は100mと大容量なので,惜しみなく使えます」

  • ティータイムは手づくりおやつを食べながらお金について話し合うことも

 以前は買い物のあとにカフェに寄っていたというpokkomaさん。節約のために,家でお茶をする習慣に変えました。「夫とおやつを食べながら,お祝いごとの金額などを決めています」

  • 映画は動画配信サービスで手軽に楽しむ

 「以前は映画代と交通費で月に5000円以上使っていましたが,配信サービスを使って節約しています」。利用しているのはAmazonプライム(月500円)とNetflix(月990円)。

 お金のかかる外出やショッピングをやめても,今どきはおうちで楽しめることもたくさんあります。限られた収入を上手にやりくりして暮らしを楽しむコツ,ぜひ参考にしてみてください。

≪現役世代にも通じる?,私の年金生活も見えてしまいました😞😢≫

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日本人はもう年金だけでは暮らせない(対策は「つみたてNISA」?)🤣

 以下は,PRESIDENT Online 提供記事(真壁 昭夫 氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

預貯金や公的年金だけでは老後暮らせない

 8月末,金融庁は「令和5(2023)年度税制改正要望について」を公表した。その中で最初に記載されたのが,“少額投資非課税制度(NISA)”の改善要望だ。それはNISAの利用者であるわたしたちにとって非常に大きな意味を持つ。2014年にNISAがスタートしたことは,“貯蓄から投資へ”の流れを加速させる起爆剤になると期待を集めた。

 ただ,現時点でNISAは時限措置だ。NISAの恒久化は早期に実現されるべきだ。ここでいう恒久化とは,少額投資非課税制度そのものを恒久化することと,非課税保有期間を無期限にすること,を意味する。

 利用者にとってNISAの最大のメリットは,世界経済のダイナミズムをより効率的に享受し,長期の視点で資金を運用することにある。それは,わが国の個人が,より安心した人生を送るために欠かせない。1990年代以降,わが国の経済成長率は低位に推移し,賃金はほとんど増えていない。財政の悪化も深刻だ。預貯金や公的年金に頼って“人生100年時代”を送ることに不安を抱く人は増えている。

 個人にとって自らの責任で必要な資金を運用し豊かな人生を目指すことの重要性は一段と高まっている。NISAの恒久化などは,人々のライフスタイルに合った,より柔軟かつ持続的な資金の運用を可能にするだろう。

そもそもNISAとは何なのか

 NISAを活用することによって,毎年,一定の金額の範囲内で行う株式投資などから得られる利益に税金がかからなくなる。NISAを用いない場合,利得の約20%に税金がかかる。その差は大きい。

 現在,NISAには3タイプある。まず,“一般NISA”は20歳以上の人が対象だ。2028年までが新規投資の可能期間であり,非課税期間は5年,投資枠は年120万円,非課税の限度額は600万円だ。運用は,上場株式,株式投資信託などで行う。5年が経過すると,煩雑な手続きを経て新たな非課税投資枠に資金を移管できる。

 次に,“つみたてNISA”は20歳以上を対象とし,2042年まで新規投資が可能だ。非課税期間は20年,投資枠は年40万円,非課税の限度額は800万円だ。一般NISAとつみたてNSIAは併用できない。未成年が対象の“ジュニアNISA”は親権者などが口座の管理と運用を行う。

 非課税期間は5年,投資枠は年80万円,非課税限度額は400万円だ。2024年に一般NISAは“新しいNISA”に移行し,ジュニアNISAは廃止される。

必要なのは極力コストを抑えること

 NISAの使い方は,長期の資金運用にある。例えば,一般NISAであれば国内外の株式,国内外の上場投信(ETF),国内外の不動産投資信託REIT)などから資金運用の対象を選択する。海外の個別株や株式ETFを選択することによって,より高い成長が期待できる企業や国に投資することも可能だ。

 つみたてNISAの選択肢は一般NISAよりも絞られている。対象商品は,インデックス投信,インデックスを上回る利得確保を目指してプロ(ファンドマネージャー)が運用する投資信託などだ。なお,インデックスとは,市場全体の値動き,価格の水準,リスクなどをはかる“モノサシ”をいう。日本株の代表的インデックスにTOPIXがある。

 重要なことは,将来の展開は不確実であることだ。株が下がると思って売った結果,株価が上昇した。それがリスク(予想と異なる結果)だ。その上,プロのファンドマネージャーに運用を委託すると,あがりそうな銘柄を調査するためにコストがかかる。常にプロがインデックスよりも高い利得を生み出すとも限らない。

 以上をまとめると,NISAを使う際,可能な限りコストを抑えることを心掛けるとよい。個別の株を買う場合は,相場が大きく下落したところで買うようにする。また,投資信託の購入を検討する場合はより低いコストで運用が行われている商品を選ぶのが良いだろう。

なぜ日本は投資する人が増えないのか

 このようにNISAは,一定金額内で税金を負担せず,自分に合ったスタイルで長期の資金を運用するための重要な手段だ。ただ,NISA口座普及ペースは期待されたほど伸びていないように見える。2022年3月時点で,NISA(一般,つみたて)の口座数は1699万3887口座だ(出所は金融庁)。一方,2016年の日本証券業協会の報告によると,英国では成人人口の約半数が“個人貯蓄口座(Individual Savings Account,ISA)”を保有していた。

 大きいのは,制度の分かりづらさと,時限措置であることだろう。2022年6月に日本証券業協会日本取引所グループが公表した「2021年度国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査報告書」(以下,報告書)から読み取れる。

 まず,制度の分かりづらさについて,回答者数1万人のうちNISAの名前も制度も知っているとの回答は35.4%,名前は知っているが制度内容はよく分からないとの回答が52.4%,名前を聞いたことがないとの回答が12.2%だった。NISA制度を認知している人(87.8%)のうち口座(一般とつみたて)を持つ人は34.0%にとどまっている。

制度をシンプル化して普及に成功した英国

 報告書によると,NISAを認知しているか否かにかかわらず,制度の恒久化および,非課税期間の無期限化を求める回答も多い。言い換えれば,口座を開設し,コストを抑えて長期投資を行うベネフィットを具体的にイメージしづらい人が多いといえる。

 そうした課題解決のために英国の取り組みは参考になる。1999年に英国はISA制度を開始した。当初,ISAの口座開設期間は10年と定められた。制度設計も分かりづらかった。当初は,株式,預金,保険それぞれの口座を異なる金融機関で開設できる“ミニISA”制度と,株式,預金,保険をひとまとめにして運用できる口座を一金融機関に一つ開設する“総合ISA”制度の二本立てだった。

 英国民はISAのベネフィットをイメージしづらかっただろう。そのためISA開始当初の口座開設ペースは緩やかだった。その後,2008年にISA制度の恒久化と,ミニと総合型の区分が廃止され株式と預金の2つを対象にするISAへ制度がシンプル化されたことを契機に,英国でのISA口座は一段と増加した。

お金についての教育が充実していない

 金融庁は,NISAの使い勝手を高めるべく,恒久化と,非課税となる期間を無期限にしようとしている。それは,個々人の資産形成にとって重要だ。ただし,それは使い勝手向上の必要条件ではあるが,十分条件ではない。

 本来,個人の資金運用は3カ月や1年など,特定の期間における収益の多寡を問うものではない。各人のライフスタイルに合わせて時間と金額を分散し,長期の視点で無理をせずに資金を運用することが大切だ。個人の資金運用の目的は,老後など,万が一お金が必要になった時に備えることにある。

 つみたてNISAを軸に制度を一本化し,年間の投資可能金額の引き上げなども検討されるべきと考えられる。報告書によると,課税対象の投資用口座(特定口座など)との損益通算を認めてほしい等の要望も多い。

 それに加え,わが国は個人の投資教育も強化すべきだ。長期的に,株価はGDP国内総生産)で評価される経済成長率に連動する。景気が良くなれば,株価は上がる。景気が悪くなれば,株価は下がる。投資の鉄則は,価格が大きく下落した時に買うことだ。世界経済の成長率が大きく低下するなどして株価が大きく調整した時に,タイミングと金額を分散して低コストの上場投信(ETF)などを買うことができれば,あとは景気の回復を待てばよい。

政府が取り組むべきことは多い

 反対に,景気が回復して株価の上昇が鮮明になってから株を買おうとすると,わたしたちは周囲の投資行動に流され,高値掴みをしてしまいがちだ。そうなると,満足のいく利得を手に入れることは難しい。NISAをより多くの人が活用するために,世界経済の現状,債券や株式,外国為替など“アセットクラス(金融資産の分類)”ごとのリスク・リターンの特徴,景気と株価の基本的な関係をしっかりと理解することは欠かせない。

 NISAの恒久化と制度のシンプル化に加えて,基本的な経済と金融市場の関係を理解する機会の提供など,よりよい個人の資金運用を目指して政府が取り組むべきことは多い。政府が国民の要望に耳を傾け,よりよいNISA制度の在り方を目指すことは,個々人が自己責任で資金運用により能動的に取り組む一助になるだろう。

真壁 昭夫(まかべ・あきお):多摩大学特別招聘教授 1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後,第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後,メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員,信州大学経済学部教授,法政大学院教授などを経て,2022年から現職。

≪国民が制度を利用する場合,先に教育と制度の不備を是正すべきでは?自己責任はいいとして,それに伴う生活保護制度の充実も不可欠でしょう!そもそも年金で暮らせると思わせておいて,後でそれは出来ないというのは,後出しジャンケン以外のなにものでもない≫

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賢い若者だけが気づいている「衰退途上国」日本だからできる“ハイリターン”な選択

 以下は,集英社オンライン提供記事(文/橘玲)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 韓国の1人あたりGDPが日本と肩を並べたと言われるが,日本はいまだにGDPで世界3位の経済大国だ。「超高齢社会」「衰退途上国」の日本で働くからこそできる若者たちの合理的な選択について考える。

本当に日本の若者は内向きになったのか!?

 「日本の若者は内向きになった」といわれる。海外の大学への留学生数も,いまでは中国や韓国に大きく水を開けられているという。しかし私は,この手の「若者批判」をあまり信用していない。

 ひとつは,「最近の若者はリスクをとらない」と上から目線で語る人自身が,大きなリスクをとっているようには見えないことだ。右肩上がりの高度成長の時代にたいしたリスクもとらずに成功した人物(その多くが元大学教授や大企業の元経営者で,いまは悠々自適の年金生活を送っていたりする)が,パイが縮小する困難な時代のなかで,上の世代が残したツケを払いながら生き方を模索する若者たちに説教するというのは,控えめにいってもあまり見栄えのいいものではない。

 もうひとつは,かつての「若者」が海外の一流大学に行けたのは,企業や行政がその費用を出してくれたからだ。私にはハーバード大学やMIT(マサチューセッツ工科大学),コロンビア大学などの大学院を出た知人が何人かいるが,彼らのなかで自費で留学した者は一人もいない。

 だとすれば,日本の若者が内向きになった責任は,業績が悪化した企業や予算を削られた行政が,留学の費用を出さなくなったことにあるのではないか。バブル期のように大盤振る舞いすれば,いまの「内向き」の若者たちも喜んで海外の難関大学を目指すようになるだろう。

 しかし,私が「内向き」論を疑う理由は別にある。

国内市場規模だけでは頭打ちの「Jリーグ」と「K-POP

 中田英寿が1998年に単身イタリアに渡った頃と比べると,いまでは60人近くの日本人のサッカー選手がドイツ,イギリス,スペイン,フランスなどヨーロッパのリーグでプレイしており,日本代表が海外組で編成されるのが当たり前になった。だとしたら,内向きの日本社会でサッカー選手だけが突然変異のように「外向き」になったのだろうか。

 しかし,こんなヘンな理屈を唱えなくても,この現象はもっとシンプルに理解可能だ。

 欧州のクラブから声がかかるほどの選手なら,Jリーグでプレーすれば安定した出場機会と収入が得られることは間違いない(ローリスク・ローリターン)。それに対して文化も習慣も異なる海外では言葉も通じず,出場機会すら与えられないかもしれない(実際,これまで多くの優れた日本人選手が挫折を味わってきた)。

 それでも多くの若いサッカー選手が海外を目指すのは,成功したときに得られる報酬(金銭だけでなく名誉や評価)が桁外れに大きいからだ(ハイリスク・ハイリターン)。彼らはこのリスクとリターンを冷静に秤にかけて,勝算があると確信できたからこそ海を渡ったのだろう。

 K-POPのアイドルが世界を目指すのもこれと同じだ。韓国の1人あたりGDPはいまでは日本と肩を並べたが,それでも人口が少ないために市場規模は半分以下しかない。若いアイドルが海外に目を向けるのは,韓国人が生来外向きだからではなく,彼ら/彼女たちの才能に国内市場の規模が見合わないからだ。

超高齢社会で若者の価値は上がり…

 このことから,日本の若者が内向きに見える理由はものすごく簡単に説明できる。

 長い不況に苦しんでいるとはいえ,日本はいまだにGDPで世界3位の経済大国だ。そんな国に生まれた若者たちが,海外で大きなリスクを取るよりも,ぜいたくをいわなければそこそこ暮らしていける日本にとどまった方がいいと考えるのはきわめて合理的だ。

 日本は人類史上,未曾有の超高齢社会に突入し,若者(現役世代)の両肩には膨張する一方の社会保障費が重くのしかかっている。このような社会で“夢”をもてなくなるのは当たり前だが,しかしこのことは,視点を変えれば若者に有利にはたらく。経済学の基本である需要と供給の法則をもちだすまでもなく,希少なものは価値が高く,たくさんあるものは価値が低い。日本社会において希少なのは若者であり,たくさんあるものは高齢者だ。

 一般的には平均年齢の低いピラミッド型の人口構成が理想とされるが,こうした国はどこも若者の失業率が高く,学生を除けば,イタリアでは20代の3人に1人,フランスでは4人に1人が失業している。それに対して日本の若年失業率は一貫してOECDで最も低く,大学を卒業すれば,ほぼ全員がそれなりの会社に就職できる。だとしたらなぜ,この大きなアドバンテージを捨てて,より競争のきびしい海外に行かなければならないのか。

 それに加えて,たまたま新卒で入った会社に定年まで滅私奉公するという働き方が機能不全を起こしたことで,いまでは大手企業も積極的に即戦力を中途採用するようになった。だとしたら,とりあえずどこかに入って仕事を覚え,転職によってステップアップしていくことが「キャリアというRPGロールプレイングゲーム)」を攻略する最適戦略になるだろう。

「衰退途上国」日本の衰退が進めば状況は変わる

 興味深いのは,海外から日本の大学に留学する外国の若者たちも,この戦略を使っていることだ。日本社会にはまだまだ外国人差別があるものの,新卒については,多くの企業が日本人か外国人かは区別せずに正社員として採用している。これは欧米と比べても有利な条件なので,賢い外国人留学生は,とりあえず日本の会社に入ってキャリアをスタートさせ,仕事を覚えたら,語学力を活かしてより条件のいい外資系に転職していくのだという。

 ここからわかるのは,「最近の日本人は劣化した」というようなオヤジの繰り言には根拠がなく,若者たちは与えられた条件のなかで,リスクに対して最もリターンの大きな選択をしようと合理的に行動していることだ。

 明治・大正や終戦直後には,多くの日本人が決死の覚悟でアメリカやブラジルに渡った。これは日本が貧しく,農家の次男や三男には生きていく術がなかったからだ。高度成長期にアメリカの大学に留学する日本人が増えたのは,欧米と日本の差がまだ大きく,海外の知識を日本に持ち込むだけで大きな利益や名声を手にすることができたからだろう。

 外的な環境が変われば,それに応じて選択や行動も変わっていく。いまや「衰退途上国」と呼ばれる日本が今後もっと貧乏になって,国内にとどまっていては生きていけないと思うようになれば,グローバルスタンダードの教育を受けた若者たちは積極的にリスクをとって海外を目指すようになるにちがいない。

≪共感できる部分が多々ありました≫

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実質賃金下落を放置する政治と日銀

 以下は,DIAMOND online提供記事(野口悠紀雄氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

止まらぬ円安,物価高騰で実質賃金が下落している

 円安は一時1ドル144円台まで進み,輸入原材料を中心に物価上昇が続いている。

 日本銀行は今月21,22日開く金融政策決定会合でも「緩和維持」を変えないと見られるが,物価高騰のもとで実質賃金の下落が続いているのに,政治の動きは野党も含めて鈍い。

 毎月勤労統計調査で,実質賃金の推移を見ると,2022年4,5,6月の対前年同月比は,-1.7%,-1.8%,-0.6%と下落が続いている。

 14年には,消費税率引き上げで実質賃金が下落した。また20年には,コロナ禍の影響で低下したが,21年にはそれから回復し,22年3月までは実質賃金の対前年比がプラスになった。

 しかし,22年4月以降,物価が上昇する中で名目賃金が伸びないために,再び実質賃金が低下している。実質賃金指数は,12年に比べると10%程度低下した。

22年4~6月の雇用者報酬も前年比伸び率はマイナス

 雇用者報酬(注1)の対前年同期比は,2021年4~6月期,7~9月期には3%台になったのだが,輸入物価の高騰が始まった21年10~12月期に1.1%に下落し,22年4~6月期には,名目の対前年同期比が上昇したにもかかわらず,マイナスになった。

 なお,14年4~6月期から15年1~3月期までは消費税率引き上げの影響で,名目雇用者報酬伸び率と実質雇用者報酬伸び率が乖離している。

 しかし,それ以外の期間では両者はほぼ同じ値だった。両者がこのように乖離したのはここに示す期間では初めての現象だ。

 また,22年4~6月月期に実質雇用者報酬の伸び率が絶対値で1%を超えるマイナスになったのは,上記の消費増税の影響がでた期間と21年7~9月期,10~12月期を除けば初めてのことだ。

注1:「雇用者報酬」とは,民間企業のみならず,国・地方自治体,公共・社会サービスなども含む生産活動から生じた付加価値のうち,雇用者に分配された額。現金給与や現物給与の賃金・俸給のほか,社会保険の雇用主負担分も含まれる。ただし,個人事業主と無給の家族従事者は除かれる。

原価高騰を転嫁し企業利益は好調,実質賃金とは著しい格差

 一方で企業の利益は著しい増加を示している。

 上場企業のうち,2022年3月期に過去最高益となった企業の比率は30%になった。商社は大手7社がいずれも最高益になった。また大手製造業も好調だった。

 この傾向は,4~6月期にも続いている。純利益が過去最高となった企業が全体の約4分の1を占め,商社や石油,鉄鋼などが資源高の恩恵を受けている。

 以上のことは,法人企業統計調査によっても確かめられる。

 4~6月期における全産業(金融機関を除く)の営業利益,経常利益は,対前年比で,それぞれ13.07%,17.63%となった。輸入物価の高騰による原価の増加を売上げに転嫁しているからだ。

 このように,実質賃金と企業利益の動向の間に著しい格差が生まれている。

 こうした現象はこれまでも見られたものだが,最近は,それが特に明確な形で現れている。

輸入物価上昇の約半分は円安による影響

 実質賃金の下落と企業利益の増加の背景には,輸入物価上昇と円安加速がある。

 2022年7月の輸入物価指数の対前年同月比をみると,契約通貨ベースでは25.4%だが,円ベースでは48.0%になっている。

 つまり,仮に円安がなければ,輸入物価上昇率は48%ではなく,その約半分の25.4%に収まっていたはずなのだ。

 輸入物価の高騰が顕著になり始めた21年10月では,輸入物価の対前年同月比は,契約通貨ベースで29.4%,円ベースで36.5%だった。

 つまり,この時点では,輸入物価上昇に占める円安の影響は2割程度でしかなかった。

 22年3月以降の顕著な円安の進行によって,物価上昇での円安の比重が増大したのだ。

 海外物価の高騰は日本では如何ともしがたいが,為替レートはコントロールできる。

 仮に日本銀行が金融政策を転換して金利上昇を認めれば,円安の進行は食い止められる。そして,物価高騰や実質賃金低下も半分程度に食い止められるはずだ。

 それにもかかわらず日銀が動かないのは,企業の利益を重視して実質賃金下落を問題視していないからだ。

主要国の中銀は利上げ,マイナス金利続けるのは日銀だけに

 8月にはいったん収まった円安が9月になって再び加速したのは,米連邦準備制度理事会FRB)のジェローム・パウエル議長のジャクソンホール演説で示されたように,アメリカが断固として金利引き上げを続けるからだ。

 その結果,日米間の金利差が拡大し円安が進行する。

 世界主要国の中央銀行は,すでにFRBの政策に対応して,金利の引き上げを行っている。

 欧州中央銀行(ECB)は7月の理事会で11年ぶりに利上げを決め,マイナス金利から脱却した。そして9月8日の理事会で,政策金利を0.5%から1.25%へと0.75%引き上げた。

 カナダ中央銀行は,7日に0.75%の利上げを発表した。

 9月20~21日開かれるFOMC連邦公開市場委員会)では,FRBが3会合連続となる0.75%の利上げに踏み切る可能性が強い。

 スウェーデンも同様の利上げを行う可能性がある。

 こうして,マイナス金利を継続するのは日銀だけになった。

円安続けば今後も実質賃金低下,日本の労働者は見捨てられている

 政府は第二次の物価高対策を取りまとめた。

 ガソリン補助金の期限を12月末に延長し,輸入小麦の政府売り渡し価格を据え置く。住民税非課税世帯を対象に1世帯5万円を給付するというものだ。

 しかし,これらは問題の原因に対処するものでなく,問題を隠蔽しようとする対処療法に過ぎない。

 相対価格の変化による市場の調整機能を殺してしまうという意味でも,問題だ。ガソリンなど相対価格が上昇している財やサービスへの支出は抑制すべきだというのが,現在市場が発しているシグナルだ。

 必要とされるのは,問題の根源である円安に対処することだ。

 それを放置して物価対策だと言うのは,アクセルとブレーキを同時に踏んでいるのと同じであり,正視に耐えない状態だ。

 本来であれば,野党が追及すべきだが,何の動きもない。

 日本には,企業(とりわけ大企業)の立場からの経済政策を求める政治勢力は存在するが,労働者の立場からの経済政策を求める政治勢力は存在しない。

 連合が本来はその役割を果たすべきなのだが,そうはなっていない。

 実質賃金の下落問題は,7月の参議院選挙で最大の論点になるべきだった。そして野党からは,法人税率の臨時引き上げといった提案が行われてもおかしくなかった。

 しかし,実際には上滑りの物価対策しか議論されなかった。

 円安が続けばこれからも実質賃金が低下を続けることはほぼ確実だ。

 日銀は,賃金が安定的に上昇するのでないかぎり金融緩和を続けるというが,いまのような円安が続く限り,実質賃金が上昇することなどあり得ない。

 日本の労働者は見捨てられているといっていい。実質賃金の水準を維持するというごくささやかな願いですら顧みられることがないのだ。

≪円安水準は25%とのこと,つまり,ドルをお持ちの方からすれば,日本では25%引きで品物が買えるということ言うことに……。誰のための円安なのでしょうか?審査で借りることができる企業は既に借りているでしょうし,新たに借金をしようとしている企業がそれほど多くはないはず。にも拘らずの金利政策。国民の生活苦は続くよどこまでも?≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>

 

「物を捨てられない」から自由になり,お金持ち体質に!

 以下は,All About提供記事(取材・文:ビルドゥングス)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 どうしても「片づけ」ができない,苦手だという人は少なくありません。そこには「思考の詰まり」や「思考のクセ」があるというのは「片づけ士」の小松易さん。それらを乗り越える方法とは?

うまく片づけられない人は考え方が原因?

 お金持ちになるために特別な能力も超人的な努力も不要! 毎日15分,身の回りを整理整頓するだけ。「片づけ」は自分自身と生活を振り返り,本当に大切なものは何かを教えてくれるきっかけになります。

 「貧乏スパイラル」を脱して「お金持ちスパイラル」に飛び込むための「片づけ」の奥義を,「かたづけ士」を標ぼうする小松易さんに聞きました!

悪いこだわりとは「思考の詰まり」が原因だ

 「片づけ」を指導しているなかで,どうしても「片づけ」が上手にできない,うまくいかないという人に出会います。

 それはものを捨てることができない人です。なぜ捨てられないか? 私は思考に「詰まり」があるからだと考えています。

 「詰まり」とは簡単に言えば「こだわり」に近いものです。

 たとえばある人は買い物したときに商品を入れてくれるお店の紙袋を捨てられずに溜めています。実際にはほとんどその後利用することはないのですが,なぜか捨てることができない。「いつか使うはずだ」と考え,捨てられないのです。

 書類や資料を捨てられない。読んだ本や雑誌を捨てられない。連絡することもない人の名刺を捨てられない。着なくなった服や冷凍庫にしまっている食品を捨てられない……。

 ビジネスから日常の生活まで,捨てられないものや,なぜか集めて大切にしてしまうものが,人それぞれにあるのではないでしょうか?

「良いこだわり」と「悪いこだわり」の違いとは?

 「こだわり」には2種類あると考えています。

 1つは「過去のこだわり」です。かつて自分が失敗したことに対する後悔をいつも引きずっている人がいますが,それは「過去のこだわり」といえるでしょう。

あるいは逆に成功した体験からのこだわりも「過去のこだわり」でしょう。営業で成績をあげた体験があったとして,そのときのやり方をずっと繰り返すということもその1つでしょうし,昔つきあっていた恋人の写真を捨てられないというのも「過去のこだわり」の1つだということができます。

 「過去のこだわり」はそのときには必要なことだったかもしれませんが,それをずっと引きずるのは時として問題がある場合があります。もはや時代が変わっていたり,自分自身の環境や状況が変わっているのに,そのこだわりを持ち続けるのは,マイナスになることもあるのです。

 もう1つは「今のこだわり」です。それは自分の目標や夢と絡んだこだわりです。たとえば将来海外で仕事をしたいという目標があったとして,語学やそれを学ぶことに関してこだわる場合があります。

 参考書を買ったり,英字新聞を読む。読んだ英字新聞は捨てずにとっておくというのは,「良いこだわり」でしょう。そのような「こだわり」は大いに持つべきだと思います。

 「過去のこだわり」の中には,とくに目標や目的がないまま,「もったいない」とか「いつか使えるはずだ」と漠然とものを捨てられずに取っておくということもあります。それはただ単に自分の元に置いておきたいという執着であり,依存でもあります。

 結論を言えば,お金持ちになる人は「今のこだわり」を持ち,お金が貯まらない人は「過去のこだわり」を持っている人だということです。

ものを捨てられないことが,病的である場合とは

 最近の研究によると,これが病的になった状態を「強迫性貯蓄症」(ホーディング)と呼び,このような人たちを「ホーダー」と呼ぶそうです。彼らはものを捨てることに強い喪失感や罪悪感を覚え,捨てることができません。

 また,ものを自分の周りにうず高く積み上げることで精神的な安定を得ます。誰かがそれを捨てようとしたり撤去しようとすると,激しく抵抗します。よくゴミ屋敷と呼ばれ,不要なゴミやガラクタでいっぱいになっている家がありますが,その住人がまさに「ホーダー」なのです。

 ここまで病的ではないにしろ,ものが捨てられない,蒐集してものを増やしていくという傾向のある人は多いはずです。心理学的には完全に解き明かされていない部分も多いようですが,何らかの心の歪み,病的な部分がこだわりや執着となって表れていると考えられます。

 いずれにしても,自分の心の歪みや病んでいる部分に対する「気づき」が大切なのです。気づきによって自分を客観視し,その状態から脱却するきっかけになるのです。

心の歪みと思考のクセに気づくことが大事

 このような心の歪みは,思考のクセとなって表れることもあります。ある相談者のお宅を伺ったとき,やはり足の踏み場もないほど部屋が散らかっていました。本人は片づけをしたい,そのような主婦になりたいと思っているのです。

 ところが,いつまでたっても実行できず,先延ばしにしてしまう。片づけの効用を説明し,本人も納得したので「さっそく始めましょう」と言うと,「主人の承諾を得てからじゃないとダメ」だと言うのです。ではご主人の許可を得て始めましょうと言うと,「主人に話してどうなるかはわからないので」となかなか決断できないのです。

 おそらく,この主婦の方は,これまでもずっと,あらゆる判断や行動を先延ばしにするクセがついているのだと思いました。

 お金持ちの人を見ると,このような心の歪みや執着,依存がほとんどないことに気がつきます。もちろん夢や目標に向かって努力し,まい進するという「今のこだわり」はありますが,無目的でほとんど意味のない執着や依存のような「過去のこだわり」はありません。

 そのような負のこだわりから自由なのが,お金を稼ぎ増やすことができる人の特徴なのだと思います。

カウンセリングよりもまず「片づけ」から始める

 では,そのような過去の古いこだわりを持った人は,ずっとそのままなのか? お金持ちになることができず,ずっと貧乏のままなのでしょうか?

 難しい自己分析や心理カウンセリングをせずとも,まず手近なところからの「片づけ」を実践してみましょう。それによって思考の混乱を抑え,整理して考える習慣を身につけることができるのです。

 同時に片づけを実践する中で,自分の心の歪みやクセに気づくことができます。

 「自分はなぜか紙袋ばかり捨てずにとっておくけれど,本当に必要なものなのだろうか?」「思い切って捨てると判断できないのは,なぜなのだろう?」と自問する機会を得ることで,これまで無意識に行動していたものを意識化することができるのです。

 それは過去のこだわりから自由になることであり,その結果としてお金持ちに近づくことでもあるのです。

 

小松易(こまつ・やすし):日本初の「かたづけ士」。大学在学中に行ったアイルランドで「トランク1つで生活」できることに衝撃を受けて帰国。以来モノと人の関係を探求する。2005年に会社を退職し独立,片づけが苦手な人に個人カウンセリング&コーチングをする。その後,片づけの効用とノウハウをもとにコンサルティング業務を展開,銀座に『スッキリ・ラボ』を開業。これまで延べ2000人以上に片づけ指南,指導を行う。

≪私の知る限り,「片づけ」と「お金持ち」には言われているほどの相関関係がないような……。前者は「思考」との相関はありそうです。また,後者はそれとの相関はいかに?≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>

 

対話で家庭を「共同経営」する共働き世帯

 以下は,NIKKEI STYLE提供記事のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。 

 会議の直前に「お子さんが発熱しました」と保育園から電話が入る。慌てて夫に「お迎え,行ける?」と連絡すると「今から商談」とつれない返事。結局,妻は会議をドタキャンして保育園へと向かう。

 私自身,何度も頭を抱えたが,共働きの子持ち世帯なら似たような経験はあるはずだ。一方のお迎えが続くと「なんで自分ばかり」と不満がたまり,夫婦仲が険悪になることもある。

 こうした共働き家庭の問題を対話で解決する方法を紹介するのが,本書

『仕事も家庭もうまくいく! 共働きのすごい対話術』

だ。パートナーを家庭の「共同経営者」と考え,お互いのライフとキャリアを充実させる方法を具体的に解説する。著者は家族やパートナーシップに関する課題解決を支援する株式会社すきだよ(東京・豊島)代表のあつたゆか氏。

■互いの価値観を共有

 パートナーとの対話を始める前に,家庭に決まった形はないことを共通認識にしておきたい。専業主夫や同性パートナーなど,個人の生き方の多様化と共に,家庭の形も多様化が進んでいる。

 その上で,全体的な傾向として国内では共働き世帯が増加しており,最近は専業主婦世帯の2倍を超えている。共働きのパートナーとは,家庭と仕事のバランスの理想,何のために働いているのかといった価値観を共有しておくことが重要という。例えば,自分は「お金」より「自己実現」を優先したいタイプだと伝えておけば,転職を相談した際に「給料が下がる」と伝えても,納得してもらいやすいだろう。

 仕事と同様,こまめな情報共有がパートナーとの相互理解につながることもあるようだ。著者はオンラインツールを使ってスケジュールや仕事の進捗などを共有することを勧めている。冒頭の保育園のお迎えであれば,事前にお互いのスケジュールを知っていれば,その日は外部との商談がある夫を優先し,自分の会議を調整するといった判断の助けにもなる。

■「戦略的ご自愛」も必要

 「対話」が重要とはいえ,仕事で疲れているのに家庭にまで思考力を割きたくない日もある。そんな時のために,著者は「戦略的ご自愛」を提案する。いわば家庭内の休暇制度だ。相手を気遣う余裕がなくなる前にマッサージに行くなど自分を労わる。帰宅前に「きょうの優しさは売り切れです」などとパートナーに申告しておけば,互いに不快な思いをすることが減る。

 本書の魅力の1つは,具体的な言い回しを多く紹介している点だろう。「なんでお皿を洗ってくれないの?」と相手を責めるのではなく,「洗ってくれるとうれしい」と自分を主語にして伝える。あるいは,「家事が負担になっているから,家事代行を頼みたいんだけど,どうかな?」と相談するなど,すぐに使える,角が立たない伝え方や解決策を教えてくれる。

 仕事も家庭も,相手を尊重しながら歩み寄ることが重要なのだろう。パートナーとのギスギスしたやりとりに心当たりがある方は,ぜひ本書を参考にしてほしい。

今回の評者

前田 真織:2020年から情報工場エディター。08年以降,編集プロダクションにて書籍・雑誌・ウェブ媒体の文字コンテンツの企画・取材・執筆・編集に携わる。島根県浜田市出身。

≪このような関係ができるかどうかは,結婚する前から決まっているような……。そんな方に出会うことは,至難の業!益々結婚のハードルが上がるのでは?なぜなら,人(他人)を変えることは難しい,自分を変えることはもっと難しいから≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>

呼び捨て,命令口調,子ども扱い…高齢者が介護職員に言われて「イヤな気持ち」に!

 以下は,現代ビジネス提供記事(河北 美紀氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 私は介護施設の経営と,市区町村の介護認定審査会委員をしています。そのため,介護に関するお悩み・お金の相談などを受けることがよくあります。

 今回は,介護施設職員の言葉使いに着目してみました。介護施設では利用者(高齢者)に対して,基本的には敬語を使うこととされています。しかし,職員が利用者と親しくなるにつれ,言葉遣いがフランクになることもあります。

 それ自体が一概に悪いこととは言えませんが,問題なのは「私がお世話をしてやっているんだ」という思い込みが生まれ,「タメ口」はもちろん「上から目線」の職員があらわれることです。

 施設を利用する高齢者は介護職員の言葉で気分を害すことはあるのか,そして「良い施設の選び方」とは。将来,ご家族を介護するうえで参考になれば嬉しいです。

親しさが言葉や態度にあらわれる

こちらの記事では都内の介護サービス事業者連絡会が,介護職員を対象に高齢者虐待防止法に関する研修会と,参加者むけのアンケートを紹介しました。

「気を抜くと友達に話しかけるような言葉になってしまう」

「冗談を言おうとして軽率な言葉を出してしまい,利用者を怒らせてしまったことはある」

「同じことを何度も繰り返し聞いてくる利用者に『たった今お話ししたでしょう?』と言ってしまったことがある」

など,親しさからか,利用者を軽んじた言葉や態度が出てしまったケースがいくつもあります。

 一方,その介護サービス事業者連絡会は,介護職員だけではなく,利用者側にもアンケート調査を行っています。

 その中に,「介護職員に言われて嫌な気持ちになった言葉は?」という質問がありました。

 回答の中には,介護職員の人員不足や忙しさから来ているであろうと推測できる言葉もありますが,中にはそもそも介護職員としての資質に問題があったのではないかと思える発言もありました。

呼び捨て,命令口調,子ども扱い…

 「介護職員に言われて嫌な気持ちになった言葉は?」というアンケート,利用者の回答は以下です。

・そうじゃないっす(敬語ではない)

・うんち出た?

・何度トイレに行くの?

・子ども扱いや幼児言葉で声をかける

・きつい口調,命令口調で強く言う

・名前の呼び捨て

・ダメでしょ

・座っててください

・早くして

・ちょっと待って下さい

・さっき言ったばかりでしょ! などの否定的な言葉

・顔を見ずに「はいはい」と軽い返事をされる

*以上,江戸川区地域密着型サービス事業者連絡会調べ

 回答を読んで,皆さんはどのように感じましたか? 大切な家族を預ける側は,介護職員に正しい言葉使いで接してほしいと感じたのではないでしょうか。

 ただし,(基本的に敬語とはいえ)時にはフランクな言葉を使ってもいいシーンもあるのではないかと筆者は思います。介護施設は入所者にとって「日常生活の場」であり,介護職員は共に生活を送るパートナーです。

 そうした中,常に高級ホテルのような敬語が使われていることで,なかなか施設を「自分の家」と認識しづらい,できないということもあります。

 例えば認知症の方など,(ご家族と相談のうえではありますが)家庭的な感覚で過ごしてもらう方が落ち着くケースもありますので,「敬語以外は全て不適切だ!」と決めつけることも実際には難しいのです。

 では,良い施設を選ぶにはどうしたらいいのでしょうか?

「利用者の明るさ・表情」で施設を選ぶ

 さて,介護職員の言葉使いについてお話ししてきました。使う言葉ひとつとっても賛否が分かれるところではありますが,良い施設を選ぶのに一番かんたんで,分かりやすいと思う判断基準を皆様にお伝えします。

 それは,「利用者の明るさ・表情」を見ることです。施設入所前の見学では,対応をしてくれる介護職員はとても愛想が良いかもしれません。しかし,日常的に介護職員と接し,ケアを受けている利用者の表情は嘘をつけません。

 怯えた様子がある,人目を避けたがる,利用者から「怖い,怒られる」といった発言がある場合,その施設を選ぶべきではありません。

 一方,良い施設にいる利用者は,表情も穏やかで明るく落ち着いて過ごしているもの。また介護職員の言葉使いは,時折フランクな言葉を使っていてもいいのですが,聞いていて不快ではないレベル,そしてベースにはきちんと敬語があることをチェックしましょう。

 言葉に気をつけなくてはならない理由,それはコミュニケーションをするうえで相手の尊厳を守り,不快にさせないための配慮だといえるのではないでしょうか。

 介護の現場においても,利用者が気持ちよく過ごせる配慮ができている施設を選びたいものです。

≪介護職員の人間性が問われています。生活の場になっている介護施設で,利用者と介護職員との関係に,安易に第三者(利用者の親族?)が口出しすべきではないのかもしれませんが,介護施設もある意味では公共の場でもあります。第三者の存在を常に意識した言葉遣いが必要なのでしょう≫

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「独学力が高い人,低い人」決定的差,大きな分かれ目!

 以下は,東洋経済オンライン提供記事(高橋 俊介氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 企業内外での学びについて,いま「リスキリング」が注目を集めている。「リスキリング」は「学び直し」と訳されることが多いが,「変化する社会で,今後必要となるスキルや技術を学ぶこと」である。

 そこで重要なのは「学ぶ姿勢」,つまり「独学力」が身についているかどうか。独学は受け身ではなく,「なぜ学ぶか(Why)」「何を学ぶか(What)」「いかに学ぶか(How)」の3つの要素による「学びの主体性」が不可欠な条件になっている──。

 『キャリアショック』『新版 人材マネジメント論』などキャリア関連の数多くの著作があり,30年以上にわたって,経営の視点から人事や人材マネジメントの研究を続けてきた高橋俊介氏が,このたび「『独学力を高める』社会人の学び方」を1冊で完全解説した『キャリアをつくる独学力:プロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント』を上梓した。「『独学力を高める』ことは,仕事上のキャリアだけでなく,人生全体を豊かにする」と断言する。

 世界有数の人事コンサルティング会社の日本法人代表を務め,現在もキャリア開発や組織の人材育成についての研究に従事し,日本に「キャリアショック」という概念を広めた「キャリア論の第一人者」である高橋氏が,「学歴より重要な『独学力の高い人・低い人』7つの決定的な差」について解説する。

「独学の重要性」に着目するようになった理由

 私は,30年以上にわたり,経営の視点から人事や人材マネジメントを考える研究を続けてきました。

 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにあるSFC研究所の中に設立されたキャリア・リソース・ラボ(通称キャリアラボ)では,創設当初から教員として参画しています。キャリアラボはキャリアに関する包括的な研究を行う組織で,私は「個人主導のキャリア形成」を主たるテーマとして研究をしてきました。

 「独学」というと,「独学=我流」と本流でない学びといったネガティブなニュアンスが浮かびがちですが,これに対して私は,「独学」を「学びの主体性」と再定義しました。

 私がいま,独学を「学びの主体性」として再定義する大きな要因の1つは,「仕事の自律性」や自律的なキャリア形成を目指すうえで「学びの主体性」が不可欠な条件になってきたからです。それは,私が「独学の重要性」に着目するようになった理由でもあります。

 就活の際,エントリーシートや履歴書に書いた「学歴」は,社会人には役に立ちません。長いキャリア人生においては,「独学」こそがキャリアを切り開く糧になるのです。

 つまり,これからは,独学力を高めていく必要性が出てくるのですが,残念ながら,「独学力の低い人」も多く存在し,「独学力の高い人」とは決定的に異なるところがあります。

 では,「独学力の高い人と低い人の差」とはどのようなものでしょうか。多数考えられるなかから,主な7つのポイントを紹介しましょう。

 1つめは,「『過去や知識の伝承』に偏っているか」ということです。

「ヨコの学び合い」が「学びの主体性」を引き出す

【1】「過去や知識の伝承」に偏っているか

 日本企業の人材育成は,社内で年長者が自分の積み重ねた経験と知識を伝えるだけの「タテ型OJT」が中心でした。教えられる側は,教える側の過去の経験や知識の伝承に従います。

 しかし,過去の経験や知識に縛られてばかりの「タテ型OJT」では,思考や行動が固定化してしまい,環境が大きく変わっていった場合,新しい環境についていけなくなる可能性が大きくなります。

 「過去や知識の伝承」に偏ったままでは,「独学力が高い人」と,どんどん差がついてしまうのです。

【2】「『会社の枠』を超えた学び」ができるか

 独学力の高い人は,「タテ型の伝承」に偏ることなく,主体的に学ぶ個々人が形成する「ヨコの学び合いの場」などに参加し,刺激し合い,「気づき」を得ていきます。それも,社内だけでなく,同じような専門性を追求する人同士が「会社の枠」を超えて学び合うのです。

 「ヨコの学び合いの場」が有効なのは,互いに刺激し合い,気づきを得ていくことで,個々人の「学びの主体性」が引き出されるからです。独学力が高い人は,会社の枠を超えた,ヨコの学び合いを大切にしています。

【3】受験勉強の延長で「丸暗記」しかできないか

 日本において,主体的な学びを妨げる1つの要因として,学びに「楽しさ」や「面白さ」を感じる人が少ないことがあります。

 その背景にあるのは,学生時代の「丸暗記の受験勉強」の体験でしょう。歴史などについても,登場する人物の名前と年号の「丸暗記」の記憶しかありません。さらに,丸暗記は「孤独な作業」です。

 いつまでも「丸暗記の受験勉強」の延長のままでは,刺激し合う「ヨコの学び合いの場」もないため,独学力には差がつくいっぽうです。

 4つめは,「『楽しく,面白く』学習自体を楽しんでいるか」ということです。

独学力で大切なのは「学びの楽しさや意味を感じること」

【4】「楽しく,面白く」学習自体を楽しんでいるか

 丸暗記の記憶しかない日本史や世界史関連の本を,大人になって読むと「歴史の面白さ」を再認識することがあります。そんなときは,丸暗記式の受験勉強の「不毛さ」を感じます。

 独学力で大切なのは,「近視眼的な功利性の追求」ではなく,「学びの楽しさや意味を感じること」です。

 自分は学習自体を楽しんでいるのか,学習の中身に意味を感じているのか。学びを楽しむことや意味を感じることで,独学力はどんどん高くなっていきます。

【5】正解のないものでも「自論」を導き出せるか

 「ジロン」は通常,「持論」という用語が使われます。これに対し私は,「さまざまな事象に対して,その都度『私はこう思う』と自分の考えを明確にし,発信していく」という意味合いで「自論」という独自の表現を使っています。

 環境変化によりビジネスモデルが大きく変化し,個別性の高いソリューションビジネスが重要になってくると,正解のない事象について,「私はこう思う」と「自論」が必要になってくることが増えてきます。

 「独学力の高い人」は,このような場合でも「自論」を導き出すことができます。

【6】正解のあるものをただ導く「正解主義」か

 日本の学校では,「この問題はこれが正解である」という「正解主義の教育」が行われてきました。

 そのため,「正解のない問題」に対し「自論」を導き出す能力がないまま成人しても問題はなく,就職したその組織でも,とくに問題は起こりませんでした。

 しかし,環境変化が激しく正解のない時代で「自論」が必要とされてきているいま,「正解のあるもの」をただ導いて終わるだけの「正解主義」では,多くのことが通用しなくなっていきます。

 「正解主義」しか身についていない人にとっては,独学力には限界が出てくる可能性が大きいです。

 最後は,「『先生や師匠』がいなくても学べるか」ということです。

【7】「先生や師匠」がいなくても学べるか

 「日本人って先生病なんですよね」と言われるほど,多くの日本人は,学ぶときは,お師匠さんについたり,修業したりしないといけないと思っています。

 しかし,いまはインターネットもあるし,何だって自分で学ぼうと思えば,お師匠さんがいなくても,修業をしなくても学ぶことはできます。

 「独学力の高い人」は,他人に頼ることなく,自分で学び方を探し,成功へとつなげていくことができます。

変化の激しい時代は「自律的なキャリア形成」が必須

 キャリアラボでの研究成果をもとに,2000年に『キャリアショック』(東洋経済新報社)を出版しました。

 「キャリアショック」とは,私が提唱した概念で,自分がそれまで積み上げてきたキャリア,自分の思い描いてきたキャリアの将来像が,予期しない環境や状況の変化により短期間のうちに崩壊してしまうことをいいます。

 しかし,変化の激しい時代に生きるビジネスパーソンにとって,「キャリアショック」の危機的状況に陥るリスクがいまや完全に現実のものとなり,「自律的にキャリア形成していく必要性」がますます高まっています。

 今一度,「独学」の学びのスタイルを見直して,変化の激しい時代にも対応できる「プロフェッショナルな人材」になってほしいと,長年,キャリア論を研究をしてきた筆者として,強く願っています。

≪私の場合は「疑問」「なぜ?」「どうして?」が出発点だったような……。そして,考える「師」,言動の「師」などを得たことが自身を成長させてくれたと思います。現時点では,成功とは言えないかもしれませんが,少なくとも失敗だったとは思っていません……≫

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「聴き方」の六つのテクニック

 以下は,ZUU Online提供記事のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 本記事は,林恭弘氏の著書『自分の気持ちを伝えるコツ50』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

■必ず好かれる「聴き方」のテクニック(1)

 安心感・信頼感のある人間関係をつくるには,「相手の話をどのような姿勢で聴くのか」が重要です。

 ここでは,具体的な聴き方を身につけていきましょう。

 まず1つ目のテクニックとして「受け身の聴き方」をご紹介します。

 これは,カウンセラーが相談者と温かい関係をつくるのに欠かせないテクニックです。あなたの身近な人間関係でも,必ず同じように効果をあげることができます。

(1)沈黙する

 これは文字どおり「黙って聴く」ことです。

 「なぁんだ。そんな単純なことがテクニック?」と思う人もいるかもしれません。でも実は,これが「聴く」ことの基本なのです。

 実際のところ,相手の話を「黙って聴く」ことは,私たちにとって至難の技です。もちろん,相手によっては,黙って聴くことが簡単な場合もあります。それは自分と同じような感じ方・考え方・価値観・経験の持ち主の場合です。

 こういう人の話は「そうそう,おっしゃる通り」と,黙って聴くことができます。

 しかし,自分とは違う感じ方・考え方・価値観・経験の持ち主の場合は,「一体感を感じていたいという欲求(一体願望)」がはたらきます。

 ですから,「おかしい! 間違っている!」と感じ,「黙って聴く」ことができなくなるのです。

 ここで思い出してみましょう。

 相手がたとえ恋人でも,夫・妻でも,親子でも,同じ仕事をする仲間でも,残念ながら,あなたとは「違っている」のです。

 あなたが相手の話を黙って聴くことができなければ,相手だってあなたの言い分を聴くことはありえません。

(2)うなずきつつ,あいづちを入れる

 話をしているときに,「うんうん」「そうだったの」「なるほど」など,相手があいづちを打ってくれると,たいへん気持ちがいいものです。

 あいづちが呼び水となり,さらに話が引き出されます。

 このあいづちを打つときに,ぜひ取り入れてほしいのが,「うなずく」という動作です。

 人が受け取る情報の大部分は,視覚から得ています。人は,相手が見た目にも「聴いている」と感じられれば,さらに気持ちよく話せるのです。

 あなたがカラオケに行ったときのことを思い出してみてください。

 仲間が見た目にも「聴いている」と感じられたとき,あなたは気持ちよく歌えていたのではないでしょうか。それは,仲間たちが視線を落として,次の曲を選んでいるときではないはずです。

(3)思いを引き出す言葉をかける

 「もう少しくわしく教えて」

 「大切なことなんだね」 「あなたの気持ちを知りたいな」

など,相手の話を大切に思っていることを,短い言葉で構わないので伝えてください。

 自分を大切に扱ってもらって,うれしくない人はいません。あなたに自分の胸のうちを,もっと聴かせてくれること,間違いなしです。

 そして,自分のことを大切に扱い,思いを聴いてくれたあなたに感謝することも確実です。

 この「受け身の聴き方」を実践するだけで,あなたの人間関係は一変します。

(1)否定しないで,話す人のペースでじっくりと黙って聴く

(2)大きくうなずき,話しやすいようにあいづちを打つ

(3)興味をもって相手を大切に扱う

の3点は,事実,好かれる人たちが共通して実践しています。

ポイント

「受け身の聴き方」は相手と温かい関係をつくることができる

■必ず好かれる「聴き方」のテクニック(2)

 2つ目のテクニック「積極的な聴き方(アクティブリスニング)」を使えば,さらに深い信頼関係をつくることができます。

(1)言い方を少し変えてくり返す

恋人「同僚のAが許せないんだよね!」

あなた「職場で何かあったんだね」

恋人「そうなんだよ(聴いてくれている)」

後輩「私,すぐに方針が変わるところがこの会社の嫌なところなんです!」

あなた「方針変更について疑問があるんだね」

後輩「そうなんです!(理解してくれているな)」

先輩「明日の午後ちょっと時間をとってくれないか。新企画の件で話しておきたいことがあるんだ」

あなた「新企画についての確認ですね。では,午後は空けておくようにします」

先輩「頼んだよ(いつもきちんとしているな)」

 このように,ほんの少し言い方を変えて「くり返す」ことで,理解していることが「実感」として相手に伝わります。聴いている,理解している,きちんと向き合っている「あなたの姿勢」は,必ず相手に安心感と心地よさを与えます。

(2)要点をまとめる

友人「付き合いはじめて3年になるんだけど,彼って一度も私を家に呼ぼうとしてくれないのよ。それに彼の親友にも会わせてもらったことがないの。私も,別にすぐに結婚しようなんていうつもりはないわよ。でもあんまりじゃない? そんな彼の態度を見てると,私たちまるでコソコソ付き合っているようで嫌なのよ!」

あなた「大切な人に会わせてくれない彼の態度に,不安を感じてるんだね」

上司「規則は,どんなときでも絶対に守らねばならない,というわけではないよ。でも,今回のようにお客様に提出する書類に関しては,ちょっとしたミスから信用を失ってしまう恐れがあるんだ。だから,複数の人でチェックして,規則どおりの書式になっているかを,慎重に確認する必要性があるんだよ」

あなた「お客様の信頼を第一に考えるべきなんですね」

 このように少し長い会話になると,すべてをくり返すには限界があります。

 その場合は,相手が一番伝えたい・わかってほしい部分だけを,ピックアップしてまとめます。これによって,相手は,より理解してくれたと感じることができます。

 しかし,これには少し慣れる必要がありますね。

(3)気持ちをくむ

 「つらかったんだよね」「寂しかったのね」「それは心配だったでしょう」「不安な気持ちがすごく伝わってきたよ」というように,気持ちが理解されることが,人にとって一番うれしいことです。

 ですから,不満・愚痴・悩みなどを聞いても,その問題を解決してあげなくてもいいのです。それは,あなた自身に対する相手からのクレームや攻撃の内容でさえも,そうなのです。

 ある程度時間をかけながらじっくりと聴き,最後は気持ちをわかろうとしてあげるだけでいいのです。

ポイント

アクティブ・リスニングは深い関係を構築できる

 林恭弘(はやし・やすひろ)ビジネス心理コンサルティング代表。心理コンサルタント。 1964年生まれ。兵庫県宝塚市出身。日本メンタルヘルス会心理カウンセラー・講師。幼児教育から企業を対象とする人事・教育コンサルタントまでたずさわった後,現日本メンタルヘルス協会代表・衛藤信之氏に師事。カウンセリング活動の他,東京・名古屋・大阪・福岡での同協会主催の心理学ゼミナール講師,企業・学校・各種団体を対象とした講演会・ 研修会講師として活動。「活力ある社会と,優しい家庭を創造する」をテーマに,日常生活に実践的ですぐに役立つ心理学を紹介する。

≪生まれると日本語を聴いて日本語を習得しましたが,歳を重ねると煩悩?がその能力を阻害するのでしょうか?ところで,聞き(聴き)上手は話し上手とも……≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>

学びを実感する瞬間に出合うには!?

 以下は,ダイヤモンド・オンライン提供記事のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 韓国で45万部の超ロングセラーが発売から7年,いよいよ日本に上陸。韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで,学生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ,勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ,この本を読んだ人にはわかることでしょう。執筆に8年かかったとされる『勉強が面白くなる瞬間』から,その驚くべき内容を紹介する。

目に見えなくても,コツコツと学びが蓄積されている

 宝石の鑑定士を夢見る一人の若者がいました。彼は宝石鑑定の達人を訪ね,秘訣を伝授してほしいと頼みました。しかし,白髪の宝石鑑定士は首を振りました。宝石鑑定を学ぶには粘り強さが必要なのに,最近の若者には根気が足りないというのです。若者は一度だけチャンスをもらいたいと粘りました。彼には「学ぼうとする気持ち」があったのです。

 ついに鑑定士は若者に椅子を勧めると,手のひらに小さなダイヤモンドを一つ載せてやり,黙ってじっと座っているように言いつけました。鑑定士は若者を座らせたまま,黙々と仕事を続けます。若者は静かに待つしかありませんでした。

 そうして1日がたちました。翌朝も鑑定士は若者の手に昨日のダイヤモンドを握らせ,前日と同じ指示を出しました。3日目も4日目も同じでした。1週間がたち,若者は次第に腹が立ってきました。自分の意欲を理解してくれない師匠に失望しました。

 「師匠,私は宝石鑑定を学びたいのです。いつから教えていただけるのですか?」と若者が聞くと,宝石鑑定士はぶっきらぼうに答えました。

「すぐに学べるようになるさ」

 そうして10日が過ぎ,若者は挫折してしまいました。教えたくないのならいっそ嫌だと言ってくれればいいのに,こうして時間を無駄にさせるのはおかしいと思ったのです。そして翌朝,若者は宝石鑑定士がまた同じ指示を出したら,ダイヤモンドを投げ捨てて「一体いつまで私をつらい目に合わせるつもりですか?」と言ってやろうと思いました。

 そしてダイヤモンドを投げ捨てようとした瞬間,若者は思わずこう叫びました。

「これは昨日までのダイヤモンドとは違いますね!」

 すると師匠はにっこり笑って答えました。

「やっと,少しずつ学び始めたな!」

 このように学ぶ気持ちさえあれば,一見学んでいないように思える間にも,実はコツコツと学びが蓄積されているものなのです。

 ですから不満を並べ立てるより,むしろ「自分が何を学ぶか」に気持ちを集中して努力した方が,あなたにとってずっと有益ではないでしょうか?

(本原稿は書籍『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』の一部抜粋したものです)

≪示唆に富む内容が……,そうだとすれば,「よき師」との出会いも不可欠なようです。「 」内は「よき先輩」と置き換えることもできるでしょう≫

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コロナで借金した人が相次ぎ自己破産!

 以下は,47 NEWS提供記事のほぼほぼコピペです。

 新型コロナウイルスの影響で生活が苦しくなった人に,国が無利子でお金を貸す仕組みがある。返済期限はまだ先にもかかわらず,既に「返せない」と自己破産する人が相次いでいる。返済困難な金額は現時点で約20億円に上り,今後さらに膨らむのが確実だ。大半が返ってこない恐れもあり,最終的には国民負担に跳ね返る。なぜ生活再建に結び付かず,苦境に追い込まれる人が多く出てくるのか。取材すると,制度の「弊害」が浮かんできた。(共同通信=大野雅仁,出崎祐太郎,市川亨)

▽最大200万円まで借りられる  

 この制度は「特例貸し付け」と呼ばれ,コロナ感染が広がり始めた2020年3月に設けられた。最大20万円の「緊急小口資金」と,最大60万円を3回まで貸す「総合支援資金」という2種類があり,最大200万円まで借りられる。いずれも無利子だ。市区町村の社会福祉協議会社協)が受付窓口になっている。申請期限は延長を繰り返し,今も利用可能。8月末まで受け付けている。  

 緊急小口資金は2年以内,総合支援資金は10年以内に返済が必要で,早い人は来年1月から返済が始まる。  

▽自己破産や債務整理,5千人  

「既に利用者から自己破産の通知が毎日のように届く」。社協の職員からそんな話を聞き,私たちは4月に47都道府県社協を対象に調査してみた。「利用者から債務整理の手続きに入る通知が届いたり,自己破産などが決定したりしたケースはどれだけありますか」  

 38都道府県から回答が得られた結果,自己破産や債務整理の手続きをした利用者が全国で少なくとも約5千人いることが分かった。1人で複数回借りる人も多いため,貸付件数では約1万8千件に上る。自己破産や債務整理のケースでの貸付額を答えたのは19県だけだったが,それでも計約19億6千万円に達した。以前から他に借金があり,多重債務状態だった人が多いとみられる。

▽貯金底突き,生活綱渡り  

 調査と並行して取材したのは,貸し付けを受けても生活苦に直面する人たちだ。  

 「どうやって返せばいいのか。常に不安を抱えながら暮らしている」。首都圏に住むシングルマザーの40代女性はそう言って,うつむいた。  

 女性は2020年夏,コロナ禍で飲食店員の職を失い,貸付金を限度額の200万円まで借りた。現在は別の飲食店で働くが,一緒に暮らす20代の子ども2人のうち1人は大学生で,貯金を取り崩しながら綱渡りの生活だ。貯金は底を突きかけており「自己破産が頭をよぎることもある」。  

 大阪府吹田市の50代女性も20年春に飲食店の雇い止めに遭った。月約7万円を得ていたが,収入はゼロに。貸付金155万円を借りた。  

 求職のためハローワークに通うが,腰にヘルニアを抱えており「働く意欲はあっても立ち仕事は難しく,なかなか職が見つからない」。食費を切り詰めるため,1日1食で水を飲んで空腹をごまかしているものの,生活資金はもうほとんど残っていない。支援団体に食料を送ってもらい,日々を乗り切っている。返済は難しい状況だ。

 政府はコロナ禍や物価高騰で困窮する子育て世帯を対象に,子ども1人当たり5万円を6月から順次,支給するが,女性は受け取れない。「子育て世帯以外の困っている人にも目を向けてほしい」と切実に訴える。

▽「借金背負わせているだけ」  

 貸付金の制度はこれまでも災害などの緊急時に利用されてきた。しかし,今回のコロナ禍では20~21年度の2年間で約320万件,約1兆3千億円に達し,未曽有の規模となっている。申請期間の延長をやめるよう求めてきた全国社協の幹部は「さすがにやりすぎだ」と政府に苦言を呈す。  

 コロナ禍で優先されたのが迅速にお金を渡すことだった。その半面,申請は郵送でも可能で,審査は形式だけにとどまり,顔を見ないまま貸すケースもあった。社協の現場職員からは「生活を立て直す支援をせず,『自助』の名の下に借金を背負わせているだけ」と疑問の声も上がっている。  

 香川県社協の担当者は「生活苦に陥っている人は他の債務や障害などを抱えているケースもあるが,申告だけで借りることができる。支援に結び付かず,自立する力をそいでしまう」と危惧。島根県社協の担当者は「申請者の生活状況を細かく確認できず,事実上『貸したら終わり』の関係だ」と漏らす。  

▽夏以降,自己破産急増の恐れ

 中には返済が免除される人もいるが,住民税非課税世帯であることが条件。単身世帯の場合で年収約100万円が目安と,対象は狭い。拡大を求める声があるものの,厚生労働省の担当者は「各地の社協が返済に向けた事務作業に入っており,今から変えるのは難しい」と否定的だ。  

 返ってこない分は国庫の負担となる。都道府県の社協が5~6月をめどに返済の要否を利用者に知らせることになっていて,通知を機に夏以降,自己破産などが急増する恐れがある。  返せずに自己破産した場合,利用者は経済的にも心理的にもダメージを受ける。生活再建に向け家計支援や精神的なサポートなどが必要になるが,債権者である社協から連絡を取ることは原則できず,支援の網から漏れかねない。  

 社協の側にも,利用者が多過ぎて支援まで手が回らないという事情がある。「返済に関する通知や免除だけでも作業量が膨大。相談業務の人手が足りない」。岡山県社協の担当者は頭を抱える。

生活保護とは別に現金給付の仕組みを

 政府は困窮者への支援金給付などを実施しているが,臨時的な対応にとどまっている。どう仕組みを変えたらいいのだろうか。    

 生活困窮者支援に詳しい大阪公立大の五石敬路准教授は「特例貸し付けは生活保護の増加を防いだという意味では一定の効果があった」としつつ,「本来,貸し付けは一時的な収入の減少を補うもの。収入が回復しなければ,利用者は債務が増えるだけだ」と指摘する。  

 低所得者を対象にした生活保護は預貯金などの条件が厳しく,偏見もあって忌避感が強い。「生活保護とは別に,もっと手前で住宅や教育など生活の一部を支える現金給付の仕組みを導入すべきだ」と五石准教授。「社協の貸し付けについては元々,情報公開が不十分で,返済率などの状況をきちんと明らかにするための法令改正も必要だ」と話している。

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「平均貯蓄額(例えば30代)」はいくら?みんなの貯蓄事情

 以下は,All About提供記事(文:福一 由紀)のほぼほぼコピペです。

 30歳代の貯蓄事情はどうなっているのでしょうか? 30歳代といえば,貯め始めの時期です。この時期にどれくらい貯めているのでしょうか?30歳代の貯蓄事情はどうなっているのでしょうか? 30歳代といえば,お金の貯め始めの時期です。この時期にどれくらい貯めているのでしょうか?

 金融広報中央委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査(2021年)」のデータから,30歳代の平均貯蓄をみてみましょう。

30歳代の平均貯蓄,単身は約600万円,2人以上世帯は約750万円?

 表は単身世帯,2人以上世帯での年齢階層別の貯蓄額の平均と中央値です。

 年齢階層別の貯蓄額の平均と中央値。単位:万円(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2021年)」)

 中央値とは金額の少ない順に並べたとき,真ん中に位置する人の金額。平均値よりは実態に近い金額を表します。

 また,この調査でいう貯蓄とは,運用のためまたは将来に備えて蓄えている部分とされていて,土地・住宅・貴金属等の実物資産,現金,預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除いています。つまり,将来のために貯めているお金という位置づけです

 単身世帯での全世帯の貯蓄保有額は平均1062万円,中央値は100万円とのこと。そのうち,30歳代では平均606万円,中央値56万円。一方,2人以上世帯では全世帯の貯蓄保有額は平均1563万円,中央値は450万円とのこと。そのうち,30歳代は平均752万円,中央値238万円です。

 30歳代の平均貯蓄は,単身で約600万円,2人以上世帯で約750万円という結果となっていますが,実際はこんなに貯められているのでしょうか?

単身30歳代:「年収300万~500万円未満」の貯蓄は140万円前後?

 表は30歳代単身世帯での年収階層別の金融資産保有率,貯蓄額の平均と中央値です。

 単身30歳代の年収階層別の金融資産保有率,貯蓄額の平均と中央値。また調査数を総数として記載(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査2021年)」)

 また調査数が総数として記載されています。この年収は就業に伴う収入や年金,不動産賃貸収入,利息収入等の収入です。土地・住宅,株式などを売って得た収入は含まれません。

 単身30歳代の平均貯蓄が606万円とのことでしたが,年収別でみると「収入なし」「年収1200万円以上」の平均貯蓄が2400万円ほどとなっており,これらのごく一部が平均額を上げているようです。30歳代の回答総数で一番多かったのが「年収300万~500万円未満」ですので,ここに注目してみましょう。

 「年収300万~500万円未満」での平均貯蓄は450万円,中央値は140万円となっています。実際の貯蓄は中央値の140万円前後と考えてもいいのではないでしょうか。

 また,注目したいのが金融資産を持っていない割合。調査で一番回答総数が多かった「300万~500万円未満」で29%が,二番目に多い「年収300万円未満」では42.2%が金融資産を持っていないということになります。ここでいう貯蓄は,日常的な出し入れをする預貯金は含まれていませんが,この数字は衝撃的です。

ファミリー世帯30歳代,「年収500万~750円未満」で貯蓄350万円程度?

 表は30歳代2人以上の世帯での年収階層別の貯蓄額の平均と中央値です。

 2人以上世帯30歳代の年収階層別の金融資産保有率,貯蓄額の平均と中央値。また調査数を総数として記載(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査2021年)」)

 ここでいう年収は世帯合算の年間手取り収入(税引後)です。ということは,共働きで夫婦2人の収入を合わせた世帯も含まれています。

 30歳代2人以上世帯での調査で一番回答総数が多かった収入層は,「年収500万~750円未満」。共働き世帯も含まれるので,単身世帯よりは収入が高い層が多くなっています。この収入層での平均貯蓄は657万円,中央値は350万円。単身世帯よりはしっかりと貯めているようです。

 金融資産非保有割合をみると,年収500万円以上になると15%前後,年収1000万円以上で10%強となっており,年収が上がると貯蓄ゼロの割合が減っているのがわかります。また,2人以上世帯で貯蓄なしの割合は,単身世帯よりは減ってはいます。とはいっても,高収入でも一定の割合で貯蓄なし世帯があるのは心配です。

30歳代,まずは将来のための貯蓄を!

 30歳代といえば,老後もかなり先で将来のことを具体的に考える機会が少ないかもしれません。一般的には働き盛りで収入も安定し始めるとき。ファミリー世帯であれば子育て費用の負担がまだ少ないときです。少なくとも,将来のために毎月積み立てられるように,仕組みづくりをすることが大切です。

福一 由紀(ファイナンシャルプランナー):大学卒業後システムエンジニアとして勤務。2人の子どもを出産し退職後FP資格を取得。女性のFP仲間とともに会社を設立し,セミナー,執筆,各種メディアへの企画監修,コンサルティングなどを行っている。

 

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「何に投資するか」を考える前に大切なこと

 以下は,All About提供記事(文:午堂 登紀雄)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 その時代環境ごとに資産配分を見直し,「お金をどういう資産の状態にしておくのが,最も効率的か」を考えることが大切です。

まずは自分の理想の生き方を考える

 投資をする際に,株がいいとか,不動産がいいとか「何に投資をするか」ではなく,自分の価値観,自分のライフスタイル,そして経済情勢に照らし,今はいったい何に資産を分配するのが賢いのか,を考えてみてください。

 今の資産の形態よりももっと価値を生む形態,もっと満足度の高い形態とは何か。これは人によって異なります。現金よりも,株のほうがより大きな価値を生み出してくれると考える人は,株にシフトさせます。株よりも不動産のほうが安定して富を生み出してくれると考える人は,株を売ってその資金を不動産にシフトさせるでしょう。

 しかし,起業を目指している人であれば,リスク資産に振り向けるのではなく,銀行に預けたままにしておくでしょう。老後は海外でロングステイを楽しみたいという人は,その国の債券や定期預金に,夫婦で旅行三昧の生活をしたいという人は,旅行積立(これ利回りが結構高いのです!)に資金を回すでしょう。

 あと,自分の性格を知ることも重要です。神経質なのか,おおらかなのか,悲観的なのか,楽観的なのか,スリルを好むのか,安定を望むのか。それによって,ビジネススタイルや投資対象が異なるからです。

 「ただ儲けたい」ではなく,自分のお金の効用を最も高く享受できるのはどの方法なのか。それは時代や環境,自分の生活設計と密接にからんできますから,まずはやはり,「自分がどういう生き方をしたいか」が出発点になります。

経済・金融サイクルに合わせ,資産分配を変える

 そのうえで,次に余裕資金をどう動かすか,を考えます。

 景気は良くなったり悪くなったり,金利が上がったり下がったり,インフレになったりデフレになったり,経済環境は様々に変化します。ですから,最も効果の高い方法は,ひとつの対象でじっと運用するのではなく,その時代環境ごとに見直し,「お金をどういう資産の状態にしておくのが,最も効率的か」を考えることです。

 不動産が上がると思えば不動産に,資源が高騰すると思えばコモディティに移動させます。まだデフレが続くと思う人は現金のままにしておくでしょう。ヘッジファンドの資金が大移動するのは,そうやって,「今世界のどこで,どのセクターに資金を移動させることが最も効率的なのか」を調べているからです。

 私たちが情報収集に費やせる時間はヘッジファンドほど多くありませんが,つねにそういう意識を持っておくと,カラーバス効果によって,生活の中で情報が自然に集まるようになります。

利回りそのものを比較しても意味がない

 利回りは投資判断の重要な指標ですが,利回りのみで判断してはいけません。投資詐欺に遭うのも,利回りの高さだけしか見ていないからです。

 たとえば不動産投資の利回りは,都心部よりも郊外や古い物件のほうが利回りが高くなっています。しかし,都心から離れるほど,一般的には空室リスクが高くなりますし,古くなれば修繕費がかさみます。そういうリスクがあるからこそ,高い利回りで売り出されているのです。都心で高利回りであれば,多くの人が飛びつきますが,地方で低ければ,誰も買いません。

 つまり,「郊外はリスクが高いから,その分,利回りは高くないと買っていられない」という意味です。

 利回りが高いということは,リスクが高いということと同義です。ですから,利回りが高いほうが良いという人は,高いリスクもセットで受け入れる覚悟が必要なのです。

 もうひとつ,利回りは,銀行などによって保証されていない限りは,現時点のスナップショットに過ぎません。

 ほとんどの金融商品は,時間の経過や環境変化によって利回りも変動します。株なら減配や無配になるかもしれない。不動産なら空室が発生するかもしれない。ですから,目先の利回りに飛びつくのではなく,「その利回りが,いったい何年維持できそうなのか,その根拠は何か」を考えてみることが大切です。

午堂 登紀雄(米国公認会計士):大学卒業後,会計事務所などを経て,米国コンサルティングファーム経営コンサルタントとして経営戦略立案や企業変革に従事。貯金70万円を1年で3億円の資産に成長させた経験をもとに,お金持ちになる方法や考え方を伝授。

≪投資は投資でも,現在「人に投資する」なる言葉がもてはやされています。具体的な方策の一つに「教育の無償化」が挙げられています。そうだとすれば,それは「子の保護者に投資」することではありませんか?労働者の再教育もその一つだとしましょう。そうだとすれば,誰彼構わず「投資」するのでしょうか?「投資」とは本当に難しいものですね≫

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