巷(ちまた)の学校blog

学校等では教わらなかったことを学び,賢い市民生活(家庭,仕事など)を営むためのブログです。ビジネスにも役立つかも。時には,就職や小論文にも言及。

なぜ今の若者は「人前でほめられたくない」のか 「横並びでいたい」「浮くのが怖い」激変する心理

 以下は,東洋経済オンライン提供記事のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 ほめられたくない,目立ちたくない,埋もれていたい……。最近,こんな若者が激増している。

 さらには,成功した人もしていない人も平等にしてほしがる,浮いたらどうしようといつも考えている,上司からの質問を同期に相談するというケースも後を絶たない。「もう,今の若いやつはわからん!」と頭を抱えたくもなる。

 『先生,どうか皆の前でほめないで下さい』は,イノベーションとモチベーションの研究家が,若者心理に迫った本だ。金沢大学と東京大学で教鞭を取る著者の金間大介氏は,若者たちの変化を日々,実感する当事者でもある。

 「今の若者たちの行動原理や心理的特徴は『いい子症候群』というフレーズがぴったりくる」と言う。その理由とは――。

講義室のどのあたりに座るのがベストなのか

 突然で恐縮だが,あなたは今,大学生だとしよう。

 想像してほしい。大きなキャンパスの中,朝一の講義を受けるため,あなたは広い講義室に入ったところだ。そこでストップ。ここで1つ質問したい。あなたは今,講義室のどのあたりに座ろうと思っただろうか?

 念のため言っておくが,大学の講義というのは,少人数で行う語学や演習系の授業を除き,座る場所は自由だ。

 もしあなたがものすごい勉強家で,絵に描いたようなガリ勉なら,きっと前から3列目あたりに座るだろう。

 あるいは,あなたが講師のことをこっそりと慕う奥手な大学生なら,講義の間ずっと講師を観察していられるように,最前列の端っこに座るかもしれない。

 しかし,ほとんどの学生はそうではない。前日の夜は遅くまでSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を見ていたか,飲食店のアルバイトをしていたため,寝たのは真夜中をとうに過ぎたころ。したがって,今は眠くてしょうがない。

 そもそも多くの学生は大学で勉強なんてするわけない。大学は勉強するところではない。キャンパスライフを送るところだ。キャンパスライフとは勉強ではない。よって大学では勉強しない。にもかかわらず,1限から大学に来ているなんて,それだけでほめてほしいくらいだ。これぞ神。

 と思ったあなたは,きっと講義室の後方,しかも両翼のどちらかに陣取るのではないだろうか。そこならノートの上にスマートフォンを置いても教壇から見えることはない。

 寸暇を惜しんででもスマホを見たい,というわけではないが,友だちが上げたストーリーを見てもいいし,片耳にイヤホンを突っ込んでユーチューブを見てもいい。この辺に座っていれば,いつも遅刻してくる友だちと合流できる。

 以上を総合すると,後ろはだいたい埋まっていて,前の座席も両端は誰かが座っており,前方真ん中に空きが多い――という感じを想像するのではないだろうか。

詰め詰めで座る大学生

 ただ実は,今現在の大学生はそういった座り方をしない。ポイントは学生同士の距離だ。明らかに密集して座るのである。

 少し前,あるいは筆者が学生だったころは,隣を1つ空けて座るのが普通だった。隣の椅子の上にリュックを置きたいし,男同士で隣り合うと暑苦しい。1つ飛ばしくらいの距離なら,ちょっかいを出そうと思えばいつでも出せる。2,3人で並ぶこともあったが,両サイドどちらからも抜け出せなくなるような詰め方は,どうも落ち着かない。

 でも今は違う。友だち同士という認識があれば,どこまでも果てしなく隣を詰めて着席していく。結果,後方は1列まるごと埋まるのも珍しくない。

 教壇から見ると,ちょっと気の毒になるくらいの詰め方だ。もしかしたら,ほかの講義でそのように指示されたのかもしれない。まじめな学生たちは,それをすべての講義共通のルールと勘違いしているのかもしれない。

 だから,心優しい筆者はこう言う。

 この講義の座席は自由だから,好きに座っていいよ。ほら,その辺とか空いてるから余裕を持って座っていいよ。

 さらに筆者の優しさは神だから,加えてこう言う。

 と言っても今は動きにくいだろうから,ちょっと早いけど今から10分休憩入れます。その間に動いてもらってOKです。

 ~休憩中~

 さて,休憩終了。座席配置はどうなっただろうか。

 結論から言って,休憩前から変化なし。彼らは望んでそこに座っていたということだ。つまり,この詰め詰め配置が彼らのベストポジションなのだ。学生たちはなぜこのような座り方を好むようになったのだろうか。

徹底して目立ちたがらない

 前々から「最近の大学生はまじめで素直」と言われてきた。「打たれ弱く,繊細で,何を考えているかわからない」とも言われてきた。ただ,近年は急速に,若者たちの心の中が変化している。以下はほんの一例だ。

・周りと仲良くでき,協調性がある

・一見,さわやかで若者らしさがある

・言われたことはやるけど,それ以上のことはやらない

・人の意見はよく聞くけど,自分の意見は言わない

・悪い報告はギリギリまでしない

・質問しない

・授業や会議では気配を消し,集団と化す

・浮くのが怖い

・ルールには従う

・一番嫌いな役割はリーダー

・自己肯定感が低い

・競争が嫌い

 10年ほど前,講義の後,ある学生に「先生,皆の前でほめるのやめてください」と怒られたことがある。皆の前でほめた後,急に発言量が減った学生もいた。

 最初はわけがわからなかったが,人前でほめるくらいなら何も言わないでほしいと学生が願う背景にも,「目立ちたくない」の延長線上にある心理が関係しているようだ。

 まず,現在の大学生の多くは,自己肯定感が低く,いわゆる能力の面において基本的に自分はダメだと思っている。その心理状態のまま人前でほめられることは,ダメな自分に対する大きなプレッシャーにつながる。

 そして,ほめられた直後に,それを聞いた他人の中の自分像が変化したり,自分という存在の印象が強くなったりするのを,ものすごく怖がるのだ。

 今の若者のこうした行動原則や心理的特徴は「いい子症候群」というフレーズがぴったりくる。それは社会人になってからも急に変わることはない。

 最近は,上司に何か質問されてわからないとき,横にいる同期に小声で助けを求める若者が増えていると聞く。さらに深刻で,かつ多発中なのは,若者がどうしたらいいかわからないまま仕事を抱え,取り返しがつかない状態になるまで放置してしまうケースだ。すぐに上司か先輩に相談すればなんてことはないのに,たったそれだけのことをためらい,抱え込んでしまう。これも,「そんなこともわからないのかと思われたらどうしよう」といういい子症候群心理のせいだ。上の例でいえば,「浮くのが怖い」という心理だ。周りの目に対するネガティブな意識がものすごく大きい。

 教育現場でも,採用でも,また,実際のビジネスでも,若者との意思疎通不全は,笑い話で済まなくなる結果を生むことが多々ある。「今の若いやつはわからん」とさじを投げても問題は解決しない。すべての大人たちにとって,「若者の深層心理を理解する」ことは今や必須事項である。

≪誰かが他者の「深層心理を理解する」ことは,医療現場では必須事項かもしれません。しかしながら,教育現場では教育に付随する範囲で考慮されるべきことのように思います。上記の「いい子症候群」という行動原則や心理的特徴を呈する若者が存在することに異を唱える者ではありませんが,そのような若者もほとんどが現実に表向きは迎合できるようになるのが常です。稀に,できない若者を散見します。そのような方は医療のお世話になることでしょう。そのような若者の存在は,大人たちにとっては問題ではないようです。したがって,解決する必要性を感じることなく,理解も不要と……≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>