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厚労省,モデル夫婦「年金22万円」…これで「老後は安泰」だと言えるのか?

 以下は,幻冬舎GOLDONLINE提供記事のほぼほぼコピペです。

 厚生労働省は来年度の「年金額改定」において,夫婦が手にする年金額のモデルケースを示しました。その金額で,果たして老後,暮らしていけるのでしょうか。考えてみましょう。

厚労省によるモデルケース…該当者は少数派

 厚生労働省は『令和4年度の年金額改定』で,令和3年度から0.4%引き下げるとしました。モデルケースとして,67歳新規算定者の年金額を以下の通り示しています。

国民年金(老齢基礎年金満額:1人)

令和3年度:月額6万5,075円→令和4年度:月額6万4,816円

厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)

令和3年度:月額22万0,496円→令和4年度:月額21万9,593円 ここであげられている「夫婦」というのは,「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金満額)の給付水準」というもの。つまり「会社員の夫と,専業主婦の妻」という組み合わせを想定した計算ということです。

 賞与込みで月額43.9万円ということは,年収換算526万8,000円になります。それだけの年収を手にしている人がどれほどいるのでしょうか。

 厚生労働省令和2年賃金構造基本統計調査』によると,男性会社員の平均年収545万9,500万円,中央値は447万2,620円でした。年収526万円未満は,男性会社員の63%ほど。示されたモデルケースの年収を得ている男性会社員は4割弱と,若干少数派になります。

夫婦で手にする年金額,4パターン

 厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると,国民年金受給者平均年金額は月額5万6,358円,厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金額は月額14万6,145円でした。 男女別にみてみると,国民年金は男性5万8,866円,女性5万3,699円。厚生年金は男性16万4,770円,女性10万3,159円です。

 これらから,さらに夫婦ふたりの年金額をパターン別に考えてみましょう。

■「会社員の夫」と「会社員の妻」:26万7,901円 (夫16万4,742円+妻10万3,159円) ■「会社員の夫」と「専業主婦/自営業の妻」:21万8,854円 (夫16万4,742円+妻5万4,112円)

■「自営業/専業主夫の夫」と「会社員の妻」:16万2,848円 (夫5万9,040円+妻10万3,808円)

■「自営業/専業主夫の夫」と「専業主婦/自営業の妻」:11万3,152円 (夫5万9,040円+妻5万4,112円)

 ちなみに,年金受取額の分布によると,平均以上の年金を受け取る男性会社員はおよそ5割,女性は4割ほどになります(関連記事: 『【2022年】年金月額別「受給者」分布表』 )。

余裕のある老後を実現するには,いくらあればいい?

 将来,いくらくらい年金がもらえそうかをみてきましたが,将来,いくらあれば老後は安心して過ごせるのでしょうか。公益財団法人生命保険文化センター『令和元年度生活保障に関する調査』によると,現役世代は「夫婦で最低限,月22.1万円が必要」と回答し,「余裕のある老後を送るなら夫婦で36万円は必要」と答えています。

 厚生労働省のモデルケースによる年金額だと,最低限の暮らしは保証される水準です。さらに余裕のある暮らしを望むなら月に15万円,年間180万円,仮に定年後20年の老後を見据えるとなると,3,600万円不足する計算になります。また会社員夫婦の場合は,月に9万円,年間108万円,20年で2160万円ほど足りません。

 また総務省『家計調査家計収支編』(2020年)で高齢者夫婦(夫65歳以上,妻60歳以上のみの無職世帯)の平均的な家計をみていくと,実収入は23万7,659円,そのうち公的年金は21万5,288円。また実支出は27万0,929円,そのうち消費支出は23万9,947円でした。この結果が「平均的な夫婦の老後」と捉えると,「現役世代が思っているほど老後にお金はかからない」といえるでしょう。 ただあくまでも,これらは統計調査の数値によるもの。実際にどれくらいかかるのかは夫婦それぞれですし,将来のことは誰にもわかりません。 大切なのは,これらを元に夫婦で老後のことをよく話し合うこと。そしてそれを元に,計画的に資産形成を進めていくことです。

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>