巷(ちまた)の学校blog

学校等では教わらなかったことを学び,賢い市民生活(家庭,仕事など)を営むためのブログです。ビジネスにも役立つかも。時には,就職や小論文にも言及。

空き家になった「再建築不可物件」に解決策はあるか?

 以下は,マネーポストWEB 提供記事(週刊ポスト2022年5月27日号)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

「再建築不可物件」の問題をどう解消する?

 一度更地にすると,新たに建築することができない「再建築不可物件」というものがある。中には,長年空き家のままで放置され,近隣住民が迷惑しているケースもあるだろう。再建築不可物件の問題について,弁護士の竹下正己氏が実際の相談に回答する形で解説する。

【相談】

 東京の下町に引っ越し。不快なのは,隣町に再建築不可物件といわれている空き家が何軒もあること。どの家もボロボロで景観も悪く,地震が多い昨今,この家々が災害被害を大きくするのではと心配になります。更地にできないのは,自治体の怠慢でしょうか。何をどうすれば,この問題を解消できますか。

【回答】

 再建築不可物件とは,現在の建物を取り壊せば,新たに建築できない土地をいいます。『建築基準法』では,建物の敷地が道路に2m以上の幅で接していなければ,建築確認を受けられません(接道条件)。袋地であったり,公道に面しても間口が狭く,2m未満などの場合です。建築確認がない建物は,取り壊しを命じられることもあります。

 この点,昭和25年の『建築基準法』施行前に,接道がない状態で建築された建物は違法建築になりませんが,改築ができず,再建築不可物件になっています。

「柱一本残せば,大修繕で改築できる」という話も聞きますが,注意が必要です。小規模木造住宅は,建築確認を受けなくても大規模修繕ができますが,再建築不可物件は大規模な修繕をすると,その時点で『建築基準法』が適用されます。その場合,一定の事項については適用除外もありますが,接道条件はそこに含まれておらず,それまで適法だった再建築不可物件が違法な建物になり,役所に知られると,建物の除却等の措置を命じられる可能性も否定できません。」

 大規模修繕とは,「建築物の主要構造部の一種以上について行なう過半の修繕」です。したがって,壁や柱の半分以上の修繕はできません。しかし,小規模の修繕はできるので,建物を長く維持することは可能です。とはいえ,土地に完全な効用がないことは否定できず,価値も大きく下がります。そのため,不動産を購入する際,接道条件の有無は非常に重要な要素なので,仲介する宅建業者が説明すべき事項になっています。

 さて,その解消ですが,再建築不可物件であっても建物が使用できる限り,無価値とはいえません。所有者が,周囲の環境にふさわしいリフォームができるように支援する制度を整えるか,公で買い上げるくらいしか思いつきません。

【プロフィール】

竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

≪かつては農地を宅地に造成した場合に,その後はミニ開発の宅地に。心配な方は法務局(登記所)発行の「登記事項証明書」と「図面」でご確認下さい≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>