巷(ちまた)の学校blog

学校等では教わらなかったことを学び,賢い市民生活(家庭,仕事など)を営むためのブログです。ビジネスにも役立つかも。時には,就職や小論文にも言及。

一律ではない高齢期,定年後の居場所

 以下は,zakzak提供記事(くすのき・あらた 氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 この9月,昨年に続いて高齢者大学で話す機会をいただいた。200人以上の参加者があった。昨年は,主催者の要望に応じて,定年前の準備や,60歳から74歳までの「黄金の15年」をイキイキ過ごすことを中心に話した。

 「黄金の15年」とは,拙著『定年後』(中公新書)において主張した私の造語である。

 定年の60歳から74歳くらいまでは,自立して活動することができて,かつ会社員当時の口うるさい上司もいなくなり,仕事も楽になって,家族の扶養義務も今までよりも軽くなる。介護を抱えている人は多いが,自分のために多くの時間を費やせる人生のラストチャンスだ。

 持てる能力を最大限に発揮して生きることもできれば,ゆったりと何もしないで無所属の時間を味わうこともできる。寿命が延びたことにより,日本の歴史上初めて私たちが手にした貴重な機会なのである。このチャンスを大切にしようというのが,「黄金の15年」の私の見解である。

 昨年の講演では,一応の手応えもあって主催者から今年も依頼された。ところが壇上から見ていると,70歳を超えたと思われる人が多いことが気になっていた。

そのため,今年の講演の前に参加者の年齢別の男女比を教えてもらった。女性がやや多く,年齢構成は,60代が35%,70代前半が35%,70代後半は27%だった。これでは「黄金の15年」の話だけでは,訪れた人々の関心に応えられない。

 今年68歳になって,「黄金の15年」の後半に入った私も70代半ば以降に興味が移りつつある。講演時間が90分あったので,前半は「黄金の15年」のこと,後半は75歳以降にどのように生きるかという点について話した。

 安楽死を取り扱った映画『PLAN75』や,私が終活フェアで講演したときの会場の様子,70代半ばの人を取材したときの発言などを紹介した。会場の興味は後半の話にあるように感じた。

 70代後半になると新しい趣味などに取り組むのは容易ではない。旅行やおいしいものを食べ歩くことも徐々に日常的な行為ではなくなってくる。

 68歳の私と91歳の義母は,同じ高齢者といっても,活動できる範囲や周りからの援助の有無,求めているものもまったく異なる。高齢期を一律にとらえると,できるだけ長く生きることが目標になりがちである。それも大切であるが,むしろ延ばしてきた寿命をどのように充実して過ごすかがポイントだろう。高齢期にも加齢に応じた過ごし方の変化があることを前提に生活の充実を考えるべきだ。

 講演の最後は,「皆さんにも教えを請いながら,今後も75歳以降のことも考えてみます」と言って締めた。帰り際に主催者から来年の同じ日に「75歳以降のことをテーマにしてください」と講演を依頼された。

 あと残りは365日。「♬一日一歩,3日で3歩,3歩進んで2歩下がる」。これでは,いつになったら着くのか分からないが,とにかく1年後に向けてコツコツと準備をしていくつもりだ。

くすのき・あらた:1979年,京都大学法学部卒業後,生命保険会社に入社。50歳から勤務と並行して取材,執筆に取り組む。2015年3月,定年退職。現在,人事・キャリアコンサルタント。25万部を超えるベストセラーになった『定年後』(中公新書)など著書多数。22年9月に『自分が喜ぶように,働けばいい。』(東洋経済新報社)を出版。

≪高齢期だけでなく,どの年代も「黄金」であって欲しいと願うのは私だけでしょうか?また,「居場所」はどなたかが用意してくれるものではなく,自ら作らなければならないもの。それはどの年代にも言えるのでは?若い方?には厳しい言い方かもしれませんが,もしかすると「生きる」という意味そのものかもしれません≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>