巷(ちまた)の学校blog

学校等では教わらなかったことを学び,賢い市民生活(家庭,仕事など)を営むためのブログです。ビジネスにも役立つかも。時には,就職や小論文にも言及。

「自信のない子」の親がやっている残念な言動4つ

 以下は,東洋経済オンライン提供記事(飯山 晄朗 氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 メンタルコーチングをした星稜高校野球部を甲子園決勝へ導く,女子スピードスケート髙木菜那選手が平昌五輪で2つの金メダル獲得,サポート企業が技能オリンピックで世界一になるなど……メンタルコーチとしてビジネス・スポーツの両分野で凄まじい実績をのこしてきた飯山晄朗(いいやま・じろう)氏。 『超メンタルコーチングBOOK』の著者でもある同氏が,「自信のない子」の親がやってしまっている言葉がけについて解説します。

■無意識に行っている「ダメ出し」  

 突然ですが,問題です。  

 例えば,こどもが学校から帰ってきて「テストで90点取ったよ」と嬉しそうに話してきました。そのとき親が「すごい!頑張ったね。もう少し頑張れば100点だね」と返したとしましょう。これはNGなんです。どこが改善点なのか,わかりますか?   

 答えは「もう少し頑張れば」という部分です。これは親が,正解した90点ではなく,「足りない10点」に意識を向けている証拠なのです。

 つまり無意識に「ダメ出し」をしていることになります。  

私自身,たくさんの親御さんと接してきて気づいたことは,こどもが小学校低学年ごろまでは,何をしても「がんばった」「よくできた」「すごいね」とほめてきたのに,小学校高学年あたりから急に100点主義,つまり完璧主義になっていくということです。  これはテストに限った話ではありません。日常生活の中でも,こどもたちはダメな部分ばかりに目を向けさせられます。「ちゃんと片付けなさい」「きちんと準備しなさい」「宿題しなさい」「練習しなさい」という言葉がけ。そして,怒った顔をして,イライラした態度で接してしまう。

 このような「誤った言動」が繰り返されて,こどもたちの潜在意識に「できない」「無理」「どうせ自分なんて」という感情が強く記憶されてしまうのです。  

 そうすると,こどもは他の人と比べてうまくできないから「スポーツは嫌い」と言ってみたり,なかなか公式が覚えられないからといって「数学は苦手だ」と言い出したり。  こどもがそうしたマイナスの言葉を使うと,さらにこどもの自己評価は低くなっていき,ますます自信を失ってしまうのです。

 私はこれまでメンタルコーチとして,10000人以上のこどもたちと向き合い,脳科学と心理学に基づいたトレーニングによって多くの子のメンタルを改善してきました。  

 そして,その結果,甲子園で決勝進出,オリンピックで金メダル獲得など,さまざまな成果を残すことができています。  

 「自信」や「自己肯定感」については,成長の過程で育つといわれています。  

 つまり,こどもの頃に親から受けた影響が大きいということです。自分のことを肯定的に感じることができなくなっているのは,こどもの頃に親から受けた言動によるものだと言っても過言ではありません。

 ただし,親や指導者など周りの人の言葉がけやサポート次第で確実に心を強くしていくことができます。  

 今回は,自信がない,自己肯定感が低い子に言ってはいけない言葉を4つのシチュエーション別にご紹介していきます。また,どう言い換えればいいのか対処法もご紹介しています。  

 甲子園球児やオリンピックメダリストなどの若いアスリートの指導でも実際に用いている言葉がけです。特にこどもを持つ親御さんやこどもに関わる先生・コーチの方は,ぜひ普段から実践してみてください。

① 「なんで~できないんだ」  

 自信のないこどもたちは,つい「できない」ところに目が向いてしまうクセがあります。そうして毎日「できない」ところばかり見ていると,当然自信は失われてしまいます。  

 だから親としては「できない」ところではなく,「できる」ところに目を向けてほしいのです。

■言葉がけとともに大事なのが「問いかけ」  

 例えば,野球で3割の打率を残すバッターはとても優秀な選手です。しかし,この優秀な選手でも10回のうち7回は失敗している計算になります。

 もし親が「また打てなかったのか,なんでできないんだ」と,7回の失敗ばかり問い詰めたらどうなるでしょうか。「自分は打てないんだ……」と思い込み,ますます打てない選手になっていきます。  

 逆に「今日はヒットが出たね」と,成功したことに対して認めるような言葉がけをしたら,こどもは「もっとヒットを打てるようにがんばろう!」という考えになっていくでしょう。  

 実は,言葉がけとともに大事なのが,「問いかけ」です。例えば,野球の試合でヒットが出なかったときに「なんで打てないんだ?」と問うと,「ピッチャーの球が速いから」「タイミングが合わなかったから」などと,脳はできない理由を探してきます。では「どうすれば打てると思う?」と問うとどうでしょう。

 「もっとバットを短く持つ」「ネクストバッターズサークルにいるときにタイミングを合わせておく」などと,脳はできる理由を考えるようになります。  

 ここでもう一歩進めて,「どうしてできるようになったのか」を問うてみます。  

問いを「できるようになった」という過去形にするのです。先の野球の例でいうと,「どうしてあのピッチャーの球が打てるようになったのか?」という問いになります。

 そうすると,「普段の素振りから相手ピッチャーを想定してタイミングを合わせることを意識したから」などと答えを探してきます。普段から,「できない」ではなく「できる」に意識を向ける問いかけをすることを心がけてみましょう。

② 一歩上のほめ方は,行動ではなく〇〇をほめる  

 例えば,落とし物を交番に届けたこどもに対して,あなたは何と言ってあげるでしょうか。「素晴らしいことをしたね」「えらいね」こういった言葉がけも決して間違いではないでしょう。たしかにシンプルに行動をほめるのも大事です。

■人格をほめたほうが,相手との信頼関係も深まる  

 実はそれ以上に効果的な声かけがあります。それは「あなたは素晴らしい子だね」といってあげることです。このように行動よりも人格をほめてあげたほうが,その後の行動に大きな変化があったという研究結果もあります。

 宿題を早めに終わらせたときも「もう終わったんだ。すごいね」と言うよりも,「あなたならできると思ったよ」と言ってあげるといいかもしれません。  

 私がサポートしている高校水泳部の選手が,大事なレースでラストスパートをかけて追い上げるも,目標タイムに届かず惜敗してしまったことがあります。  

 このときにも「最後の追い上げはすごかったな」ではなく,「あそこで勝負を仕掛けた君の勇気が素晴らしい。私も勇気をもらったよ」と伝えました。その後,彼から「あの時『勇気をもらった』と言ってもらえて,自分のレースで人に勇気を与えることができるんだと自信になりました」と連絡がきました。

 「行動」をほめるのではなく「人格」をほめてみる。そのほうが相手との信頼関係も深まります。

 ③ 「寝る前に口論する,マイナスのことを言う」  

 脳は寝た瞬間にその日一日を再生します。もし,その日一日を否定的な思いで過ごしていて,寝る前まで引きずってしまうと,脳は睡眠中にその否定的な思いをつくる原因となった出来事も含めて何度も反復してしまい,マイナスのイメージトレーニングをしていることと同じになってしまいます。

 だから寝る前は不安や憂えではなく,夢や願望を思い描いてワクワクして寝てほしいのです。  

 だから親からもこどもに対してマイナスの言葉や,喧嘩をして寝てしまうなど避けていただきたいのです。  

 こどもと一緒に「今日の良かった部分」を話しながら眠りにつくのもいいでしょう。  「一日をどのような思い,感情で終わるか」が夢や目標を実現するためにとっても重要になるのです。脳は一日の最後を強く記憶します。そして寝る前に思っていたこと,感じていたことを寝ている間に繰り返してくれるのです。

 この時間に何を思い,何を考えているかが将来に大きく影響を及ぼします。睡眠が質の良いものになるだけではなく,寝起きも気持ちよくなりますよ。

④ 「なんで~やらないの」と過剰な期待を押し付ける  

 「なんでやらないの」「もっとちゃんとしてよ」そうして,自分の期待を押し付けてしまうことがあります。こどもは期待に応えられず,できないことが続くと,自己肯定感がますます低くなるという負の連鎖が生まれます。  

 このようなケースでは自分の期待を押し付けるのではなくて「今のこどもの状態を認めてあげる」ことが大事です。

 私は「認める」という字を,頭の中で「見留める」と変換しています。こどもをちゃんと見て,自分の中に留めてあげてほしいのです。つまりどんな表情で,どんな態度で話しているのか,いつもと違うところはないかと,気を配っておくことが重要です。  

 それを続けるとこどものちょっとした変化にも気がつくはずです。こどものありのままの状態を見留めることを意識してみましょう。  

 以上シンプルではありますが,『超メンタルコーチングBOOK』より厳選してご紹介しました。

■こどもをよく見て,場面によって適切な言葉がけを  

 こどもは周りの人の影響を強く受けます。  

 親や指導者のサポート次第で,良い方向にも悪い方向にも行ってしまいます。  

 「すごい才能があったのに,あの指導者によってつぶされた……」「悪い子じゃなかったのに,親の影響でグレてしまった……」よく聞く話ではないでしょうか。  

 親や指導者がこどもをよく見て,その場面によって適切な言葉がけをしなければいけません。  

 こどもと向き合い,変化に気づいてあげてください。

 過剰なサポートは禁物ですが,苦しそうならサポートしてあげてください。そのために,ベストな言葉がけ,ベストなアプローチ法を身につけていきましょう。  

こどもとあなた自身がともに成長していき,望む結果を得られることを心よりご祈念いたします。

飯山 晄朗 :メンタルコーチ,人財教育家

≪自己肯定感は大切とは思いますが,同時に自己否定感?も存在し,両者のバランスをとることを学びながら成長するのでは……。また,「ダメ出し」は親以外にどなたがするのでしょうか?みんなが一流選手になるのではありませんが,生活において一流?になってほしいと願うのは私だけでしょうか?私が賛同する「こどもをよく見て,場面によって適切な言葉がけを」することのなんと難きことか……。学ぶことが多々ありました。そして,親も成長することで子も……≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>