巷(ちまた)の学校blog

学校等では教わらなかったことを学び,賢い市民生活(家庭,仕事など)を営むためのブログです。ビジネスにも役立つかも。時には,就職や小論文にも言及。

2021年1月3日の出来事!

 年末年始のわが家は,貧しい食事から解放されて……(この記述を妻は知らず),二人とも太っちょになった自覚から,2日には往復30分ほど歩いて初詣にいたものの,3日の午後,四つのウォーキングコースの中の一つ,バイパスコースに。

 国道を歩いていると,バス停の側に杖を持ったご老人(男性,以下Mさんという)がバスを待っている風,国道のバス停はほとんど利用する人がいません。Mさんの横を通り過ぎようとすると,私に近づいて来て「すみません。今何時でしょうか?」と聴かれました。私が歩くときにはスマホを持っていないことを知っている妻は,すぐスマホを取り出して「3時5分です」と代わりに答えてくれた。するとMさんは「2時間くらいずっと歩いているです。家が分からなくなって」と言い始めた。Mさんが背負ったリュックから,破魔矢の一部が見えた。

 Mさんの話を総合すると次のようなことが解った。用事(おそらく初詣)が終わって,家に向かって歩いていたが,自分の家が分からなくなってしまった。そして,さらに探し回って,この辺まで来たらしい。そして,誰かにバスに乗ることを勧められ,バスを待っているという。

 バスの時刻表を見ると,もうすぐバスが来る時間であった。バスに乗るのはいいけれど,心配になった。次はバスの終点(営業所)で,乗り換えなければならないから。家の近くのお店を尋ねると,今歩いてきたところだったので,そこまで連れて行ってあげると申し出たが,もう歩くことができないと言う。

 それなら,バスの運転手に家の近くを通るバスに乗り換えも,頼まなくてはと,Mさんと一緒にバスを待つことにした。

 バスが来た。しかしながら,それが待っているバスかどうかはわからなかった。

 バイパスのバス停は,迂回路にある。バスはその道に入らず通り過ぎようとしたが,営業所の表示が見えたので,手を振った。運転手はそれに気づき,迂回路の出口の所で停止した。

 私はバスまで走った。その途中,振り返ると妻はMさんと一緒に歩いて来ていた。

 運転手がバスから降りてきて,顔の前で両手を合わせてゴメンをしていた。私は,事情を説明した。Mさんと妻も加わった。

 Mさんは,バスに乗り込む前に,何度もお辞儀をし,お礼の言葉を繰り返した。

 座席に座ったMさんの姿は見えなかったが,妻と私はそのバスを見送った。

 

 正月から善いことをした。

 

 妻と歩きながら,Mさんのことを話しながら,

   子ども叱るな 来た道だから

   年寄り笑うな 行く道だから

ということばを思い出した。

 

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>