株式会社クライス・アンド・カンパニー 代表取締役 丸山貴宏氏の主張に加除訂正したものです。
<個人事業主化の潮流も成長し続けられる人は限定的>
まだ大きな潮流とはなっていませんが,社員を個人事業主化する制度を導入する企業が散見されるようになってきました。個人の側でも一つの会社で働くことにこだわらず,個人事業主(または一人会社)として独立する働き方に注目が集まるようになっています。
会社を辞めて個人事業主(一人会社)として独立するメリットは,なんといっても
「自分で全て決められる」
ことでしょう。
会社員時代には,上司によっては山のように仕事が……。それらの仕事は,あまり読まれもしない日報を書かなければならないとか,上司が情報を伝達するだけのミーティングに参加しなければならないなど,しようもないものも多かったことでしょう。
一方,独立すると,そうした組織のため,上司のために仕事をしている時間から解放され,お客様のことだけを考えて,本質的な仕事に集中できます。自分でお客様を選べ,仕事をする時間と場所を選べ,住むところも選べます。非常に自由度が高くなります。
しかしながら,そうしたメリットを享受できるのは成功した人に限られます。そして独立し個人事業主(一人会社)として成功し続けることは,非常にハードルが高いと言えます。独立して以降も活躍し続けている人は非常に限られていて,独立5年目くらいがピークであとは下り坂,という人が少なくありません。
*個人事業主(一人会社)は「自由」でしょうか?(ある方の開業の準備段階から関わった経験より)
自由度と資金力とは,反比例します。例えば,住むところを選べると言っても会社を辞めると,賃貸の場合には保証会社の審査がとおり難くなってしまいます。退職する前に賃貸借契約の締結が不可欠です。お客様を選べるというのは幻想に過ぎません。なぜなら,それが自己の収入に直結するからです。仕事をする時間・場所を選べるというのも同様,その理由も同様です。
また,お客様のことだけを考えて仕事をする情熱がそれほど長く続くものでしょうか?
お金のためなら,別でしょうが。
お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>