(2)で取り上げた「丁寧に説明」で変質・変容しつつある,あるいは,変化してしまった「丁寧に」の実例が,なんと登場してしまいました。
それは,「丁寧な補償」という語句です。
フクシマダイイチ原発の汚染水(処理水とも)を海洋放出する報道で,政府が風評被害に関する件(くだり)で用いられたものです。
真意は,風評被害により,様々な面において補償が必要でしょうから,それらについて満遍なく補償の対象にするということでしょう。
しかしながら,補償という重要な問題について,真意はどうであれ,「丁寧な補償」と語句でまとめてしまう意識が,当事者の不安をかえって増幅するように思えてなりません。
本題からは外れてしまいますが,「結局,金目(カネメ)でしょう」と言い放った大臣がいましたが,たとえ「金目」であったとしても,お金ではどうにもならない部分(そちらの方が大きいことが実は多い)を補償することは決してできないということを改めて思い知らされました。
お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>