巷(ちまた)の学校blog

学校等では教わらなかったことを学び,賢い市民生活(家庭,仕事など)を営むためのブログです。ビジネスにも役立つかも。時には,就職や小論文にも言及。

16年前に退職金1000万円を銀行預金しただけで「大損」?

 以下は,現代ビジネス提供記事(本多 慎一 氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

普通預金に入れっぱなし」の末路

 吉田孝宏(71才・仮名)さんは,リーマンショックの前年である2007年に会社を早期退職して実家の酒店を継ぎ,のんびりと家業に勤しんでいる。当時,退職金は1000万円あった。困ったのが,その運用先だった。

 「退職金が口座に入金されると,早速,銀行が投資信託を勧めてきたのですが,やっぱり金融投資は怖かった。同時期に辞めた同僚は300万円分で『日経225連動型上場投信』を購入していましたが,直後にリーマンショックをくらい,約半額のところで損切りし,大損していたんです。私は普通預金に入れっぱなしで,利息は雀の涙でしたが,損はしなかったので『いいかな』と思っています」と,吉田さんは納得顔だ。  

 しかし,実はそうはなっていない。なぜか。

実質的な円の価値は1割下落

 実は,物価上昇により,実質的には大きな損失を被っていたのだ。  

 ファイナンシャルプランナーの横川由理氏が話す。  

「デフレ経済とはいえ,2007年から考えても2度の消費増税に加え,昨年には2.5%も物価上昇しました。この16年間で考えると,当時から実質的な円の価値は1割,下がった計算になります。つまり,当時の1000万円は今なら1100万円に増えてないと,同じ価値にはならない。ゼロ金利の銀行預金に預けていたことで,実質的には100万円の大損をしていることになるのです。 逆に吉田さんの同僚は,もし『日経225連動型上場投信』を売らずに持ち続けていたら,分配金もあるので,投資額の約2倍になっていました」  

 これまで,日本経済はバブル期以降の長期的な低迷により,物価はほとんど上がってこなかった。長年のデフレでゼロ金利でも,物価が前年比でマイナスになる年もあり,金融投資で手痛く負けるよりは銀行預金で寝かせておく方がマシだった。  

 たしかに,吉田さんは16年間の銀行預金で実質1割を損したが,”この程度の損”で済んだのはデフレ経済が長かったおかげでもあったのだ。  

 しかし,潮目は変わった。今後の資産防衛では,銀行預金に預けておくこと自体,リスクになりうるのだ。経済ジャーナリストが解説する。

このインフレ基調は続く

「ここのところ,毎月,前年比3%を超える物価上昇が続いています。今までどれだけ金融緩和をしても物価は上がらず,デフレ状態が続いていましたが,円安やウクライナ戦争に加え,アフターコロナの中国や経済成長著しいインドも資源争奪に加わります。 さらに国内では賃上げがようやく広まりつつあり,とうとう日本もインフレ基調がやってきました。賃上げを伴うコストプッシュ型のインフレは,歴史的にみても長期的に続く傾向があります。日銀も引き続き,2%の物価上昇を目標にしていますが,かといって政策金利は政府の借金の利払い負担になるため,上げにくい。銀行預金に預けていても,お金の価値の目減りスピードは加速する一方なのです」  

 現在,日本の個人金融資産は2000兆円とされる。円の価値がインフレにより減価するとの認識が広まれば,これらのマネーの一部が株式など金融市場に流れてくるのは自明の理だ。 2022年は個人投資家の買い越しが1兆1774億円だったが,個人金融資産の0.1%でも2兆円分にあたる。これらが金融市場に流れてくれば,強烈なインパクトになるのは言うまでも無い。投資を検討しているなら,これらの動きが鮮明になる前に動いたほうが有利になるのだ。  

 マネックス証券チーフストラテジストの広木隆氏が,年内の展望を語る。

日経平均の3万円は「通過点」

「3月は欧米で3つの金融機関が相次いで経営破綻し,その影響で不安定な相場が続きましたが,相場は落ち着きを取り戻した感があります。足元ではアメリカの過度なインフレも伸びが鈍化していて,FRBによる利上げ停止も期待されます。グローバルに株価の重石が取れてくるでしょう。そうした中,日本市場には独自の好材料があります。東証金融庁が一体となって企業価値向上に大号令をかけているのです。多くの企業がPBRを高めようと自社株買いなどROE(自己資本利益率)向上策を検討すると思われます。  

 さらに,来年1月からは非課税での投資枠が最大1800万円まで引き上げられる『新NISA』制度も始まります。これらを見据えて,今年は後半にかけて株価が大きく上昇するとみます。日経平均株価の3万円超えはあくまで通過点で,3万2000円程度も見えてくるのではないでしょうか」  

 安値で買い,高値で売るのが株式投資のセオリーだ。株で損している人の多くは,そのタイミングを見誤っているからだろう。相場の格言に「まだはもうなり」がある。「まだどうなるかわからないから」と尻込みしていては,「もう遅い」。  

 では,具体的にどの銘柄に着目すればいいのか?

≪インフレは,年金生活者の大敵です。モノ(不動産)?に変えるか,金融の資産運用に走るか,いずれにしても自己責任で……。あるいは,慎ましい生活に……≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>