天候に左右されるのは,どのような作物を作っていようとも,農家の宿命でず。
稲作に機械が導入されてからは,その部分の労働からは解放されることになりましたが,本来農業自体が人手を要するものであり,生活様式の変化や農業機械の導入等により,現金が必要になり,長時間労働だけでなく,出稼ぎまで。
始めのころは農閑期だけだったはずがやがて通年になる農家も。
高度経済成長?は,その結果として農家の主要な労働力を奪うことになりました。
自営業者が建設作業員や工場労働者になるのですから,そのたいへんさは想像に難くありません。生活が別々になれば,お互いを気遣うことも薄れることも。
農家はその内から瓦解することもあったようです。
別の角度から眺めると,第二次世界大戦後の食糧不足を乗り切るには農家の存在が不可欠でした。戦前からあった食糧管理制度を改変して農家を助成?し,同時に,農家の多くは選挙の集票マシーンとなりました。前者を「御恩」,後者を「奉公」ということもできそうです。こうして,政治と農家との癒着が始まり,時を経て,それはさらに強固になっていきました。
やがて,コメ余りが進んで食糧管理制度が不要な段階にあったにも拘わらず,それが維持され,この制度は改正されながらも戦後50年以上も生き続けました。廃止後も,補助金・助成金という形に名を変えて,政治と農家の癒着は続いていたようです。
<これからは私の勝手な推測ですが……>
補助金・助成金は農協に委託・再委託されて,各農家にバラ撒くのに際し,手数料等の名目でまた多額の金銭を懐に入れることができましたが,農家へのそれらバラマキがなくなって,農協の力は衰え,現在の合併に繋がることに。
委託・再委託の構図は,今のコロナ対策におけるものと同一です。
今日の農家はどんな情況なんでしょうか?
農地を借りて稲作を進める農業法人?などもあるようですが,それも補助金等が一定規模の稲作農家のみに支給されることに対する方便に過ぎないとすれば……。
昔?どなたかが
「農家をダメにしたのは,補助金だ」
「農家をダメにしたのは,農協だ」
とおっしゃったことを思い出しました。
このような半世紀余りの歴史を有する農家,その出自を売りものにする感性に
「品のなさ」
を禁じえないのは,私だけでしょうか?
お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>